Amazonが提供するクラウドサービスである「AWS」は、世界中の企業で広く採用されており、その市場規模は年々拡大しています。ビジネスの効率化や柔軟なシステム運用を可能にすることから、今後もさまざまな業界での活用が進むと考えられます。
本記事では、AWSの特徴やメリットについて詳しく解説します。AWSの導入でお悩みの方は、ぜひご覧ください。
AWSとは?
AWSは「Amazon Web Services」の略称で、Amazonが提供するクラウドサービスです。世界中の企業が導入しており、国内でも近年急速に普及が進んでいます。
多様な機能と強固なセキュリティで高い信頼性を備えていることから、さまざまな業界で導入されています。
世界トップシェアを誇る
AWSは、クラウドインフラ市場で圧倒的なシェアを誇り、マイクロソフトやGoogleと並ぶ主要なクラウドプロバイダーのひとつです。
総務省の2023年度のデータによると、AWSの市場シェアは約31%に達し、マイクロソフトの24%、Googleの11%を上回る規模となっています。
クラウドの導入が進む現代のビジネス環境において、AWSは業務の効率化やリモートワーク推進に欠かせない存在となっているといえるでしょう。
参考:総務省「情報通信白書令和6年版」
AWSでできること
AWSは多彩な機能を備えたクラウドプラットフォームで、さまざまな業務の効率化に貢献します。クラウド環境を活用することで大容量のストレージにデータを安全に保管でき、文書管理の手間を大幅に削減できます。
また、ネットワーク経由でデータにアクセスできるため、必要な際にリアルタイムでデータを共有できます。AWSはこうしたクラウドのメリットを最大限に活かし、利便性の高い環境を提供しています。
AWSを利用するメリット8つ
AWSには、コストの削減やビッグデータの活用、すぐに始められる点など多くのメリットがあります。ここからは、AWSを利用することで得られる具体的なメリットを8つご紹介するので、ひとつずつ見ていきましょう。
コストが削減できる
クラウド上でデータを一元管理することで、文書管理の手間や保管スペースのコストを削減できます。また、オンラインでのデータ共有が可能になるため、出張費や郵送費などの間接コストを削減できるというメリットもあります。
さらに、AWSは従量課金制を採用しているため、自社に必要なサービスのみを厳選して利用することで無駄な支出を抑えられます。
拡張性が高い
AWSは必要に応じてストレージやCPU、メモリなどの拡張と縮小が可能です。
事業規模やデータ量の変化に応じて柔軟にリソースを調整できるため、無駄なコストを発生させずに最適な環境を維持できます。
高いセキュリティを確保できる
AWSは強固なセキュリティ環境を提供しており、国立研究機関や金融機関、政府機関などでも採用されています。
データの暗号化やアクセス管理などの機能を活用することで、安全なシステム運用が可能になります。
属人化から脱出できる
AWSのクラウド上でデータや業務プロセスを共有することで、特定の担当者に依存しない環境を構築できます。
情報の一元管理やアクセス権の適切な設定により業務の透明性が向上し、退職時や異動時の担当者間での引き継ぎもスムーズになります。
ビッグデータを活用できる
AWSの分析機能を活用すれば、膨大なデータを収集したり分析したりできるため、マーケティングや業務改善に役立てられるでしょう。
また、AWSの効率的なデータ活用により、意思決定の精度向上を目指せる点もメリットのひとつです。
グローバル展開がしやすい
AWSでは、クラウド上でのデータ共有や意思決定が可能になるため、海外拠点との連携が容易になります。
また、AWSは多言語対応しているため、遠隔地のチームとの業務を円滑に進められるといった点もメリットとしてあげられます。
すぐに始められる
AWSはサーバーの準備が不要で、パソコンとインターネット環境さえあれば利用を開始できます。
また、初心者向けのチュートリアルを提供しているため、それに従って進めるとスムーズな導入が可能です。
【24時間356日】日本語でのサポート対応
トラブル時には、24時間365日、日本語によるサポートを受けられます。
電話、チャット、メールの3つの手段が用意されており、それぞれを使い分けることでトラブルの緊急度に応じた迅速な対応を提供しています。
AWSのデメリットと対策方法
AWSには多くのメリットがありますが、利用環境によってはデメリットになるケースもあります。
それでは最後に、AWSのデメリットとその対策方法についてわかりやすく解説します。デメリットを理解し、事前に適切な対策を講じることで、より効率的にAWSを活用しましょう。
【デメリット】料金体系が複雑
AWSは従量課金制のため、使用量に応じた料金が発生します。
そのため、使いすぎると予算を超える可能性がある一方で、機能を十分に活用しないと費用対効果が得られないこともあります。
対策:無料で利用できるお試し期間に費用感をつかむ
AWSには12か月の無料利用枠があり、その間は一部のサービスをお試しできます。この期間を活用して必要な機能を把握し、本格導入に向けて適正なコスト管理を行いましょう。
【デメリット】運用するのに専門知識が必要
AWSは多機能で自由度が高い反面、適切に運用するためには一定の専門知識が求められます。
導入時にどのサービスを活用すべきか迷うことがあり、慣れるまで時間がかかることもあります。
対策:AWS認定資格やオンライン学習で運用の知識を習得する
AWS認定資格とは、Amazonが提供する公式の資格です。AWS認定資格を取得することで、運用に必要な知識を習得できます。
また、AWSは公式のトレーニング(AWS Skill Builder)を提供しています。こうしたオンライン学習を活用することで、クラウドサービス全般の理解を深めることも有効です。
対策:信頼できるITベンダーやプロに相談する手も
中小企業などでは、AWSの運用に必要なスキルをもつ従業員を確保するのが難しい場合もあるでしょう。
そういった場合には、信頼できるITベンダーやクラウド専門家に相談し、適切な支援を受けるのもひとつの手です。
弊社は、設立から40年分のITノウハウを蓄積しており、経営課題やニーズに対する提案から運用・保守まで一貫したサービス支援実績があります。インフラシステムでお困りの方は、ぜひ弊社のインフラソリューションサービスをご利用ください。
【デメリット】メンテナンス時や障害時に影響を受ける
クラウドサービス全般に共通する課題として、メンテナンスやシステム障害が発生すると一時的に利用できなくなるリスクがあります。
データをAWS上に一元化している場合、アクセス不能になると業務に支障をきたします。
対策:イレギュラー対応策を前もって検討する
基本的に、定期メンテナンスは事前にスケジュールが通知されるため、その時間帯にAWSを使用しない業務を計画することで影響を抑えられます。
AWSの突発的な障害に対しては、代替手段や社内の対応フローをあらかじめ整備し、全体で共有しておくことが重要です。
まとめ
AWSは、Amazonならではの高い信頼性と充実したセキュリティ、サポート体制を備えたクラウドサービスです。
多彩な機能をもち、適切に活用すれば業務効率化やコスト削減など多くのメリットを受けられます。一方で、柔軟性が高い分、運用には一定の専門知識が求められます。
AWSの特性を理解し、自社のニーズに適したサービスを選定しながら、適切な運用環境を構築しましょう。