業務の効率化や生産性の向上は、多くの企業が直面する経営課題です。そんな中で「BPM(ビジネスプロセスマネジメント)」は、業務プロセスを体系的に管理・改善する手法として注目を集めています。
本記事では、BPMの基本からメリットだけでなく、具体的な取り組み方や効果的なBPMツールの活用方法までわかりやすく解説します。業務改善を検討している方は、ぜひご覧ください。
【1分でわかる】BPM(ビジネスプロセスマネジメント)とは?
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は「Business Process Management」の略称で、業務管理の手法のひとつです。
BPMは、各部署で行われている業務の手順やプロセスを可視化し、分析・整理することで業務の重複や無駄を減らし、業務効率を上げることを目指します。
また、BPMは一度取り組めば完了というものではありません。継続的に取り組むことで、PDCAサイクルを回しながら業務プロセスの最適化を図りましょう。
市場の環境や組織の変化に柔軟に対応し、常に最適な業務プロセスを維持することが重要です。
BPMに取り組むメリット
現状の業務に大きな問題がない場合でも、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)に取り組むことでプロセスを効率化でき、組織全体に好影響をもたらします。
まずは、BPMがもたらす具体的なメリットについて見ていきましょう。
業務の標準化
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)では、まずプロセスを洗い出して標準化を行います。
業務が複雑化し属人化していると、全体像を把握しにくくなるものです。そのため、BPMではすべての業務を分類し、目的や実際の作業内容、必要なリソースなどを整理・データ化します。
BPMにより客観的に業務を確認できるようになるため、業務の標準化を目指せます。
業務全体の最適化
個々の業務を標準化したあと、それぞれの業務間での連携を最適化するのもBPM(ビジネスプロセスマネジメント)の特徴です。
部署や担当者によって異なるプロセスを統一し、誰でも同じ手順で業務を進められるようにします。この過程で無駄な作業や重複する要素を見つけたら削減し、その都度業務をシンプルにします。
BPMは、こうして関連する業務の一連の流れをスムーズにするため、個々の業務だけでなく組織全体の業務プロセスの効率化を目指せます。
ガバナンスの強化
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は、組織のガバナンス強化にも貢献します。
業務の仕組みを統一することで管理や監視が容易になるため、情報漏えいなどのセキュリティ対策を徹底しやすくなります。
また、BPMの取り組みとして各業務プロセスに明確なガイドラインやルールを設定することで、組織全体のガバナンスを強化できます。
生産性向上とコスト削減
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)の最大のメリットは、生産性向上とコスト削減です。
業務プロセスの無駄を削減し、組織の明確な管理体制を構築することでコストパフォーマンスが向上します。
また、不必要な人件費や資材の削減が見込めるケースもあるため、最終的には全体的なコスト軽減につながります。
BPMの取り組み方【4ステップ】
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)のメリットを押さえたうえで、具体的にどのように取り組めばよいのでしょうか?ここからは、4つのステップにわけてBPMの進め方をご紹介します。
①業務プロセスを棚卸して可視化する
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)の進め方として、まず現場における業務プロセスをリスト化し、分類します。
担当者や部署によって業務のやり方が異なる場合があるため、標準化して誰が見てもわかる状態にすることが大切です。
実際に行われている業務を漏れなく把握し、他の業務との関連性も明確にすることで、より効果的なBPMを実現できます。
②課題を洗い出し業務プロセスを再設計する
棚卸しして可視化した全体の業務プロセスを分析し、コストがかかる要因やスピードが停滞する部分を特定します。
また、特定の従業員に依存し属人化している業務や、セキュリティ・安全上でのトラブルが発生しやすい業務も洗い出しましょう。こうした課題をリストアップすることで、重点的に改善が必要なポイントを把握できます。
そのうえで、業務のやり方の変更や統一、作業工程の見直しや部署間連携の改善などを含めて再設計を行います。
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は、個々の業務プロセスの改善と全体フローの最適化の両面を同時に進めることがポイントです。
③再設計した業務プロセスを実施・進行状況を確認する
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)で業務プロセスの再設計が完了したら、実際に実施してみましょう。この際、進行状況のモニタリングと現場からのフィードバックが重要になります。
一度の再設計ですべての問題を解決しようとするのではなく、試行錯誤を前提とした段階的なアプローチでBPMに取り組むことがポイントです。
④分析と継続した改善を行う
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)で再設計した業務プロセスで新たに発生した課題や、うまく機能していないプロセスを特定・分析、原因に応じた解決策を検討のうえ、再度業務プロセスを最適化しましょう。
BPMの一環として、分析と改善を繰り返すことで効果的なPDCAサイクルが機能し、組織としての業務効率がさらに高まります。
【ポイント】BPMツールを取り入れるのもひとつの手
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)を成功させるには、現状を可視化し、改善のサイクルを継続することが大切です。その過程で、プロセスごとのデータ管理や分析が欠かせません。
これらを無理なく進めるには、BPMを得意とするメーカーが提供している「BPMツール」を活用するのが効果的です。
当社は設立から40年分のITノウハウを蓄積しており、BPMツールである「イントラマート」を含む導入に関する支援実績が豊富にあります。BPMツールの導入やサポートでお困りの方は、ぜひ当社へご相談ください。
BPMの実施にはツールが効果的
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ツールは、企業規模や業種にあわせた製品が提供されているため、自社に適したものを導入することが重要です。
それでは最後に、効果的なBPMツールを選ぶためのポイントを見ていきましょう。
BPMツールとは?
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ツールは、業務プロセスの可視化・進捗管理・実行などをサポートするシステムです。
BPMツールで複雑な業務プロセスをモデル化したうえで、データ分析機能を活用することで課題の発見と解決を効率的に進められます。
BPMツールでできること
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ツールには、主に以下のような機能があります。
- モデリング機能:現状の業務プロセスをフローチャート化する機能で、業務間の連携課題や重複している作業の発見に役立ちます。
- シミュレーション機能:再設計した業務プロセスの効果を事前に予測できる機能で、現場で実施する前のリスク評価として役立ちます。
- モニタリング機能:改善後の業務プロセスの実行データを収集・分析する機能で、追加での課題発見やスムーズなPDCAサイクルの継続に役立ちます。
BPMツールの選び方
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ツールは、製品によって以下のような項目に違いがあり、それぞれにおいて強みと弱みがあります。
- 対応範囲
- 企業規模
- 機能
- 価格
- 拡張性
まずは自社のBPMツールに対するニーズを明確にし、予算や必要な機能に応じて複数選定します。それぞれのBPMツールを比較検討し、実際にデモを試しながら最も条件にあったものを選びましょう。
まとめ
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は業務プロセスを可視化し、業務の無駄を削減することで組織全体の最適化を図る業務管理方法です。また、BPMは改善しながら継続的に取り組むことで、業務効率の大幅な向上が期待できます。
専用のBPMツールを活用することでより効果的に実施できるため、自社の状況に応じて導入を検討し、最適なBPMに取り組んでいきましょう。