クラウド導入がもたらす5つのメリット | 最適なクラウドサービスの選び方

総務省で掲載されている令和5年の「通信利用動向調査」によれば、令和4年度では全体のうち72.2%の企業がクラウドサービスを利用していると答えています。統計データによれば、企業におけるクラウドサービスの利用状況は年々増加傾向にあるようです。

この記事では、クラウド導入がもたらす5つのメリットやクラウドサービスの選び方、今後の可能性について解説していきます。クラウド導入とはどのようなことなのか、導入を検討中の方におすすめです。

総務省 情報通信白書 令和5年版

クラウド導入がもたらす5つのメリット

クラウドを導入することで、システム運用のさまざまな面でメリットが期待できます。下記に、クラウド導入で得られるメリットをご紹介します。

  1. 可用性の向上
    複数の物理/仮想サーバーのリソースを統合利用し、柔軟に構成を変更できます。大規模災害の発生時にも継続運用が可能となるなど、情報システムの可用性を向上できます。

  2. 技術革新対応力の向上
    技術革新による新しい機能が随時追加できます。そのため、最新技術を活用し試行するのが容易になります。

  3. 効率性の向上
    クラウドサービスでは、共有リソースの利用により一人当たりの費用負担が軽減され、基本機能の提供により導入時間を短縮できます。

  4. 柔軟性の向上
    クラウドサービスはリソースの追加や変更が容易であり、数カ月の試行運用にも適しています。機能の組み合わわせを変更することで新たな機能を追加し、業務の見直しも簡単に行えます。

  5. セキュリティ水準の向上
    効率的な情報セキュリティ機能を提供し、高度な機能も追加可能。世界的に認知されたクラウドセキュリティ認証を受けたクラウドサービスは強固なセキュリティを備えています。

上記のように、組織にクラウドサービスを展開することで、さまざまな性質を向上させることができます。

クラウドサービスの種類

クラウドサービスの提供形態は、サービスベンダー側がどこまでの範囲をサービスとして提供するかによって分類されます。下記に、代表的なサービス提供形態であるSaaS、PaaS、IaaSの3つの特徴をご紹介します。

  • SaaSの特徴
    SaaS(Software as a Service)は、特定のソフトウエアをクラウド上で利用するサービス形態です。インターネット経由で、どこからでもアクセスできる特徴があります。
  • PaaSの特徴
    PaaS(Platform as a Servic)は、アプリケーション開発や動作に必要なネットワークやサーバーシステム、OSやミドルウェアなどを、インターネットを経由して利用できるサービス形態です。
  • Iaasの特徴
    IaaSは(Infrastructure as a Service)は、情報システムの稼働に必要なインフラとなる、ネットワークやサーバーシステムを、インターネットを経由して利用できるサービス形態です。

SaaSの発展は、2021年コロナ禍に起因する「場所に依存しない働き方」の常態化に伴って普及が進みました。クラウド契約やクラウド請求書など、新たなサービス開発も進展し、クラウド市場の拡大に寄与しています。

PaaSやIaaSについては、大規模な設備投資を抑制できること、システム規模に応じた拡張性などの導入メリットが広く認知されています。このため、情報系システムや基幹系システム、顧客へのサービス提供基盤など、さまざまなシステムに利用される機会が増えています。

最適なクラウドサービスの選び方

クラウドサービスの導入を検討する場合、事前にさまざまな要素を考慮する必要があります。
その中で最も重要な要素としては、クラウドサービスで自社の情報やデータをどのように有効活用できるかという点です。

どのサービスを選ぶのか

検討したクラウド活用方針に従い、クラウドに移行するシステムを選定し、その後、移行形態(プライベートクラウドかSaaS、PaaS、IaaSのどれを選ぶか)を決定することです。

  • SaaSサービスを選ぶポイント
    SaaSサービスを選択すると、オンプレミス型システムよりもスピーディーにリリースでき、自社での運営保守の負担やセキュリティ管理の負担を減らすことができます。
  • PaaSサービスを選ぶポイント
    アプリケーション開発を検討するときに、必要なサーバーOSと連動しているデータベースを利用したい場合や、サーバーOS上で動作しているミドルウェアを利用したい場合などはPaaSが良いでしょう。
  • IaaSサービスを選ぶポイント
    サーバーやストレージ、ネットワークなどの特定の機能を持つ機器などを自社に保有することなく、外部にコンピューティングリソースを利用したい場合にIaaSの選択を考慮します。

検討したクラウド活用方針に従い、自社の業務に適したサービスを選択しましょう。

クラウド導入後の新たな可能性

近年、クラウド導入を進める企業の数が年々増加傾向にあるとともに、DX推進の波も広がってきています。システムのクラウド化はDX成功の鍵の1つでもあります。

DX白書2023の日米におけるDXの取組状況によると、日本でDXに取組んでいる企業の割合は2021年度調査の55.8%から2022年度調査は69.3%に増加したと報告しています。

経済産業省では、企業のDX推進を検討している経営者や、エンジニア、そのほか支援機関などに向けDX推進に有効活用できるデジタル・ガバナンスコード2.0をホームページで公開しております。企業や支援機関に対し、積極的にデジタル技術をもちいた組織構造改革や中長期的な投資を促す目的があります。

自社にクラウド導入やDX推進を検討される際には、事前にデジタル・ガバナンスコード2.0を一読されるとよいでしょう。

経済産業省,デジタルガバナンス・コード

まとめ

クラウド導入を検討する前に気になる、メリット、選び方、導入後の可能性について解説しました。
クラウド導入がもたらすメリットには下記の5つのものがあります。

  • 可用性の向上
  • 技術革新対応力の向上
  • 効率性の向上
  • 柔軟性の向上
  • セキュリティ水準の向上

また、自社にとって最適なクラウドサービスを選ぶ前に検討しておきたい重要ポイントとしては、クラウドサービスの導入によって得られる具体的な便益を明確化することが重要です。

クラウド導入やDX推進を検討をされる際には、事前にデジタル・ガバナンスコードを一読されるとよいでしょう。

DX推進について検討を進め、「DXワンストップソリューション」にご関心を持たれる方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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