データ連携のよくある課題を解説!背景や連携方法などの基本もチェック

企業のDX推進において「データ連携」は避けては通れない重要な項目です。しかし、データ連携には様々な課題があり、多くの企業がその解決に頭を悩ませています。

本記事では、データ連携が必要とされる背景や課題、代表的なデータ連携方法などをわかりやすく解説します。データ連携に課題をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。

データ連携とは?

データ連携とは、異なるシステムやアプリケーションそれぞれが持つデータを連携し、活用するための仕組みです。

一般的に、企業は販売管理システムや在庫管理システム、顧客管理システム(CRM)、会計システムなど、さまざまなシステムを導入しています。

データ連携により、今までは単独でしか利用できなかった各システム間のデータを活用できるようになります。

データ連携を行う背景

業務効率化を目的としたDX推進により、企業が利用するシステムの数は増加傾向にあります。それぞれのシステムのデータを収集し、利活用することが今後の企業戦略において、重要視されています。

これまでは主に「経営部門」でのデータ活用が最重要視されてきましたが、昨今では「営業部門」や「マーケティング部門」「カスタマーサポート」などの幅広い部門でのデータ活用が注目されています。

データが連携できていないとどんな課題が起こる?

データ連携の必要性を押さえたうえで、ここからはデータが連携できていないことで起こる具体的な課題について見ていきましょう。

データのサイロ化

データのサイロ化は、データ連携ができていないと発生してしまう代表的な課題です。

部門ごとに異なるシステムやツールを使用している企業では、各部門のデータが独立した「サイロ」のように孤立してしまいます。

例として、マーケティング部門が持つ顧客の「行動データ」と営業部門が持つ顧客の「商談データ」を連携できていないと、効果的な営業戦略の立案が難しくなります。

部門ごとのツール乱用によるデータ管理の複雑化

部門ごとに複数のツールやサービスを導入することで、データの保存先や保存形式のばらつきが起こるため、データの管理が複雑になります。

ツールごとにデータの更新ルールや保管場所が異なれば、データの確認や整理に手間がかかり、業務効率にも影響します。

各ツールにおけるデータの整合性を保ちながら活用するには、統一されたデータ連携の仕組みづくりが不可欠です。

データ連携するメリット

データを連携することで「業務効率の向上につながる」「迅速な意思決定が実現できる」「データを一元的に管理できる」といったメリットにつながります。主なメリット3つについて、ひとつずつ見ていきましょう。

業務効率・生産性の向上につながる

データ連携を行うことでシステム間のデータが自動的に連携されるため、手作業によるデータ入力の工数を削減、また入力ミスのリスクを軽減できます。

データ連携を行うことで業務効率化が向上し、担当者は本来注力すべき戦略的な業務に時間を割けるようになるため、結果的に組織全体の生産性の向上につながります。

迅速な意思決定が実現できる

各システムに散在していたデータを連携することで、各部門がさまざまなデータを活用できるようになります。

経営層にとっても、正確なデータに基づいた迅速な意思決定が可能になり、新たな経営戦略の策定などにもつながります。

データを一元的に管理できる

データ連携により、いままで各システムに散在していたデータを一元的に管理できるようになります。

たとえば、営業部門・マーケティング部門・カスタマーサポート部門が顧客情報をそれぞれ別のシステムで管理していると、データの整合性が課題になります。

データ連携によってこうしたデータを一元管理することで、整合性のとれたデータを全部門で共有できます。これにより顧客対応の質が向上し、結果的に顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

手作業でのデータ連携が抱える課題【2選】

データ連携には多くのメリットがありますが、実際にデータ連携を行う際には注意すべき点もあります。ここからは、手動でデータ連携を行った場合に起こる代表的な課題2つについて解説します。

課題①データ連携作業が属人化してしまう

手作業でデータ連携を行っていると、作業が属人化してしまうのが代表的な課題のひとつとしてあげられます。

異なるシステム同士のデータを連携させるためには、各システムの担当者間での緻密なコミュニケーションが欠かせません。

それぞれのシステムの担当者間での合意形成やルール作成、ファイルをつくるタイミング、担当者の異動・退職時の対応方法などを事前に決めておく必要があります。

担当者間で合意した内容で長年データ連携を続けてしまうと、データ連携作業が不透明になり、属人化してしまう傾向があります。

課題②データの品質維持が難しい

手動でのデータ連携においては、データの更新頻度が自動連携よりも落ちるため、データの鮮度(品質)が下がってしまいます。また、データの「変換ミス」といった課題も起こりがちです。

各システムから抽出するデータの形式は、CSVファイル・xlsxファイルなどそれぞれ異なる場合があり、それらを手動で連携する際にデータを加工する手間がかかります。

人の手が入れば入るほど人的ミスが発生しやすくなるため、データそのものの品質維持が難しいといった課題につながります。

データ連携の方法

こうした手作業によるデータ連携における課題を解決するためには、適切なデータ連携の方法を知っておくことが重要です。

代表的なデータ連携の方法として「iPaaS連携」「ETL連携」「EAI連携」「API連携」などが知られています。4つそれぞれのデータ連携方法について、ひとつずつ見ていきましょう。

iPaaS連携

iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウドベースでデータ連携を実現するプラットフォームです。

iPaaS側で用意している連携コネクタの種類が豊富なため、複数のシステム間を比較的簡単に連携できるといった特徴があります。ローコードやノーコード対応のiPaaSが増えており、近年最も注目されているデータ連携方法のひとつです。

「iPaaSについてもっと知りたい」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

【最新版】iPaaS完全ガイド!基本をとにかくわかりやすく解説

当社は設立から40年分のITノウハウを蓄積しており、webMethodsなどのiPaaSをはじめ、データ連携の支援実績があります。データ連携に課題をお持ちの方や、データ連携のベンダー選定でお悩みの方は、ぜひ当社へご相談ください。

ETL連携

ETL(Extract Transform Load)は、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、出力(Load)を行う連携方法です。

大量のデータを処理する場合に適するといった特徴があるため、データウェアハウス(DWH)やデータレイクなどへデータを連携する際によく用いられます。

EAI連携

EAI(Enterprise Application Integration)は、複数のシステムやアプリケーションのデータを統合的に連携させる方法です。

社内サーバーなどのオンプレミス環境におけるデータ連携の際に、よく利用されます。

API連携

API(Application Programming Interface)連携は、システムに搭載されている「API」を使ってデータを連携する方法です。自社の連携の仕様に合わせて、ある程度柔軟に開発できるといった特徴があります。

「APIについてもっと知りたい」「iPaaSとAPIの違いがよくわからない」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

iPaaSとAPIの違いを徹底比較!どちらを選ぶべきかのチェック方法もご紹介

まとめ

データ連携は、業務効率・生産性向上や迅速な意思決定、データの一元管理を実現する重要な取り組みです。しかし、手作業によるデータ連携には、データ連携作業が属人化してしまうことや、データの品質維持が難しいといった課題があります。

こうした課題に対処するためには、iPaaSやETL、EAI、API連携など、自社の連携の要件にあったデータ連携の方法を選択することが重要です。適切なデータ連携を行い、企業のDX推進を加速させましょう。

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