企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、リアルタイムデータの活用が重要性を増しています。
「Solace Platform」は、企業のDXにおけるデータ連携やリアルタイム処理を支援する「イベント駆動型(ドリブン)アーキテクチャ」です。
本記事では、Solace Platformの基本やできること、解決できる課題、具体的な活用例について解説します。リアルタイムでのデータ処理にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
Solace Platformとは?
「Solace Platform」は、企業のアプリケーションやシステム間でリアルタイムのデータ交換を実現する、イベント駆動型プラットフォームです。2001年に設立されたカナダのSolace社が開発・提供しており、世界中の大手企業で導入されています。
バッチ転送などの従来の連携とは異なる「パブリッシュ/サブスクライブモデル」を採用しており、データの送信者(パブリッシャー)と受信者(サブスクライバー)の間に仲介チャネル(イベントブローカー)が設定されています。
このモデルにより、データの送信者(パブリッシャー)と受信者(サブスクライバー)間の依存関係を減らし、疎結合による柔軟性の高いデータ連携を実現しています。
また、オンプレミスやクラウド、両社を組み合わせたハイブリッド環境など、多様なインフラに対応しているといった点も特徴のひとつです。
Solace Platformでできること【4つ】
Solace Platformでできることは、大きく区分すると「メッセージ&ストリーム」「スケール&フェデレート」「アクセスと管理」「運用と監視」の4つがあります。それぞれについて詳しくみていきましょう。
メッセージ&ストリーム
【データを適切な場所に今すぐリアルタイムで配信】
Solace Platformは、高機能な「イベントブローカー」を提供しており、企業全体にリアルタイムでデータの連携・共有ができます。
オープンAPIと各種プロトコルのネイティブサポートが強みで、さらに多様なメッセージ交換パターン・サービス品質を活用することで、必要な場所に正確な情報を届けられます。
Solace Platformによるビジネスオペレーションの加速で、よりリアルタイムかつ正確に状況を認識できるようになります。
スケール&フェデレート
【クラウド・データセンター・IoTを横断してつながる】
ハイブリッド環境やマルチクラウド、オンプレミスシステム、IoTなど様々な場所にあるシステムを「Event Mesh(イベントメッシュ)」で連携します。
距離や環境に関係なく、重要なメッセージを「送達保障」で確実に届けられるのが、Solace Platformの強みです。
アクセスと管理
【イベントドリブンで発生した情報を最大限に活用】
Solace Platformは、手動でアプリケーションのパブリッシュ/サブスクライブを設定できるため、その構成を対象のイベントブローカーへプッシュできます。
Solace Platformにより、企業全体のイベントストリームへ簡単にアクセスできるようになります。
運用と監視
【イベントドリブンシステムをコントロール】
Solace Platformの統合された監視・管理ツールにより、一気通貫でデータ連携の状況を監視し、運用をサポートします。
Solace Platformで解決できる課題
多くの企業が抱えるITシステムの課題に対して、Solace Platformは効果的なアプローチができます。
ここからは、Solace Platformで解決できる4つの課題「リアルタイム更新ができない」「障害対応」「拡張要件への対応工数」「コスト感」それぞれについて詳しくみていきましょう。
リアルタイム更新ができない
データ連携のよくある課題として、データを一定期間ためてから一括で処理する「バッチ処理」を採用しており、データがリアルタイムに反映されないことがあげられます。
Solace Platformは、リアルタイム処理に優れた高機能なイベントブローカーを提供しているため、導入することでバッチ処理では実現が難しかったリアルタイムでのデータ連携が可能です。
障害対応
昨今のデータ連携において、エラーが発生すると連携する他のシステムへ影響が連鎖的に波及し、障害範囲の特定と復旧に多大な時間と労力を要しているという課題もよくみられます。
Solace Platformは統合された監視・管理ツールを提供しているため、データ連携の状況がすぐに把握できます。一気通貫でプラットフォーム全体を監視できるため、スムーズな障害対応を実現します。
拡張要件への対応工数
急速に変化するビジネス環境においては、新しいアプリケーションや新規連携を追加する必要があります。その際、関連するすべての連携部分を見直す必要があり、再設計の工数が増加するといった課題もあがってきます。
こうした課題に対しても、柔軟なアーキテクチャが強みのSolace Platformを導入することで、プラットフォーム上での新しい連携の追加が簡単にできます。
コスト感
ポーリングによる不要なAPIコールや連携構造の複雑化により、データ更新がなくても常にアクセスが発生し、運用コストが増大するといったコストに関する課題がある企業も多いのではないでしょうか?
Solace Platformであれば、データ更新やイベントがあった時のみアクセスが発生するため、不要なAPIコールやデータ連携がなくなり、通信コストとサーバー負荷を削減可能です。
Solace Platformは「ムダな通信、手戻りなし」が強みのイベント駆動型プラットフォームです。
当社は設立から40年分のITノウハウを蓄積しており、Solace Platformの販売から導入支援までトータルでご提供しています。バッチ転送からの切り替えやリアルタイム性のあるデータ連携でお悩みの方は、ぜひ当社へご相談ください。
Solace Platformの活用シーン
Solace Platformは、業界特有の要件に対応した柔軟性を備えているため、多種多様な業界で実際に活用されています。
よく導入されている業界である「金融」「製造」「小売」それぞれ3つについて、Solace Platformの活用シーンをみていきましょう。
Solace Platformの活用シーン①金融
金融業界では、取引データのリアルタイム処理やリスク管理システムでの活用が進んでいます。株価情報の配信や決済処理など、遅延が許されない業務でその性能を発揮します。
実際に、多くの金融機関がSolace Platformを採用しており、高速データ配信を実現しています。
Solace Platformの活用シーン②製造
製造業では、工場内の機器やIoTデバイスからのデータ収集での活用が進んでいます。生産ラインの監視や品質管理データにおけるリアルタイムな分析により、製造効率の向上を目指せます。
実際に多くの製造業がSolace Platformを採用しており、工場内の様々なシステムやデバイスからのデータを統合し、生産効率の向上や品質管理の強化を実現しています。
Solace Platformの活用シーン③小売
小売業では、顧客体験の向上やオムニチャネル戦略の実現にSolace Platformが活用されています。
ECサイトや実店舗の購買データをリアルタイム連携し、在庫管理を最適化したり、パーソナライズされたマーケティング施策に役立てたりできます。
実際に多くの小売業がSolace Platformを採用しており、顧客満足度の向上と売上増加を実現しています。
まとめ
Solace Platformは、企業のデジタル変革を支える強力なイベント駆動型プラットフォームです。
リアルタイムでのデータ処理だけでなく包括的な管理機能などを通じて、金融・製造・小売をはじめとする様々な業界が抱えるデータ連携の課題を解決しています。
リアルタイムでのデータの活用がますます重要になる中、Solace Platformでできることを押さえたうえで、自社のビジネスにどう活かせるかを検討してみてはいかがでしょうか?