クラウドとオンプレミス、一体どっちがいいの？メリット・デメリットをわかりやすく解説

最近では様々な企業のシステムがクラウド化に踏み出しています。しかし、依然としてオンプレミスで運営している企業も少なくありません。

そこで、この記事ではクラウドとオンプレミスの特徴を踏まえながら、メリットとデメリットについて考察していきます。オンプレミスからクラウドにしようかと悩んでいる方や、これからどちらかの導入を考えている方は、是非参考にしてください。

クラウドとオンプレミス

まずはクラウドとオンプレミスについてどのような構造であるのかをご紹介していきます。ざっくりと言えば、オンプレミスが手元のシステムで、クラウドがネットワーク上にあるシステムです。

現在これらのシステムが二極化されており、どちらが良いのかを検討している企業がたくさんあります。そこで、注目すべき二つのシステムを確認していきます。

オンプレミスは実態が全て手元にある

オンプレミスは、自社施設内に物理的なサーバーやネットワーク機器を設置し、運用するシステムを配置することを指します。これはサーバはもちろんのこと、ネットワーク機器などの実機に限らず、ソフトにも当てはめることができます。ソフトに関してはピンとこない方もいらっしゃるかも知れませんが、オンライン上で操作するのがクラウドで、サーバや手元のパソコンで操作するのがオンプレミスです。

このように、手元の機器ありきで稼働するものをオンプレミスと呼びます。

クラウドはネットワーク上で全て完結する

近年急成長を遂げているのがクラウドシステムです。身近なものでは、スマートフォンのバックアップ機能は最も普及しているクラウドサービスでしょう。スマートフォンが出た当初は、パソコンに接続してバックアップを取得するのが普通でした。しかし現在は、変更があればすぐにクラウドにバックアップを取ってくれるようになり、急速に利便性が上がっています。

また、最近ではAWSやAzureのようなサーバはもちろんのこと、ネットワークシステムでさえクラウドで完結してしまうサービスも充実してきております。一部サービスだけではなく全てのサービスをクラウドに移行できるということと、近年増えているリモートワークにも対応しやすいということでクラウドを利用する企業が増加しているのです。

オンプレミスのメリット・デメリット

それではまずオンプレミスのメリット・デメリットをご紹介していきます。クラウドのほうが全て優っていれば、全ての企業がすぐにでもクラウドに移行するはずです。しかしながら現在もオンプレミスが生き残っているということは、それだけメリットもあると言えるのです。

オンプレミスのメリットはローカル環境だからこそカスタムが自由なところ

オンプレミスのメリットは、なんと言っても”手元に全てがある”という点です。ネットワークに障害が起こった際にも手元にデータがあるため、社内ネットワークさえ生きていれば作業が止まることはありません。もちろん停電になった際にも、自家発電やUPSなどを完備している場合は即座に対応できるなど、対応次第ではクラウドよりも障害に強いと言える面もあります。

また、カスタム性に優れているという点でもクラウドより優っています。AWSやAzureも、少しずつ痒いところに手が届くようにはなってきていますが、それでもオンプレミスのカスタム性には勝てません。

オンプレミスのデメリットはとても手間がかかるところ

オンプレミス最大のデメリットは、一言で言えば危機管理の大変さにあります。耐用年数が近づいてきたものは買い替えが必要になりますし、脆弱性が出ればアップデートが必要となります。買い替えやアップデートは一度機器の電源を落とさなければならないため、メンテナンス日を設けなければならなかったり、管理する人員も必要になります。

また、ビル管理などで長時間の停電などが起こった際に大量の機器を立ち上げ、起動確認を行わなければなりません。現状の機器管理だけでも大変な上、プロジェクトが大きくなり人員が増えた際には機器の拡張も考えなければなりません。

このように、メンテナンスにとても手間がかかってしまうのがオンプレミスのデメリットと言えます。

クラウドのメリット・デメリット

では、新しく出現し昨今力を伸ばしているクラウドのメリット・デメリットをご紹介していきます。クラウドと一言で言っても、どの程度クラウドに任せておくのかにも違いが出てきます。そのためここでは、全ての機能をクラウドに移行したという設定でお話を進めていきます。

クラウドのメリットは拡張性が高くどこからでもアクセスできるところ

クラウドのメリットは複数ありますが、拡張性が高い点が大きなメリットとしてあげられます。オンプレミスでは容量追加が必要な場合、新しいサーバーやストレージを購入・設置する必要があり、時間とお金がかかります。しかし、クラウドなら、需要に応じてリソースをすぐに増減でき、迅速な対応が可能です。特に予測不可能なトラフィックの増加に対して、クラウドは迅速にスケールアップして対応できるため、非常に魅力のあるサービスです。

また、クラウドはどこからでもアクセス可能な点もメリットです。外出時にスマホで簡単にデータを取り出すことももちろん可能なので、忙しいビジネスパーソンにうってつけのサービスです。企業としては、災害時は他の地域にデータが保存されていますので、データが守られるという点も嬉しいですね。

クラウドのデメリットはネット環境への依存と料金が不明瞭なところ

クラウドにアクセスするために必要になるのがインターネット環境です。インターネットへの接続が何かしらの障害でできない場合、クラウド上のシステムでは全く作業ができません。 その反面、オンプレミス環境では手元のパソコンにあるデータでできることを行えるので、完全に業務が停止することはありません。

また、AWSやAzureも全く障害がないとは言い切れないので、障害中の業務が停止することは言うまでもありません。

そして料金が運営上最もネックになる点です。多くの場合、接続時間により加算されるシステムであるため、長時間業務を行っていると思わぬ請求が来ることがあるかもしれません。また、高機能（大量処理や処理スピード向上など）なクラウドを利用する場合は、機能性に応じた課金プランとなるので料金もあがります。多くのクラウドサービスは従量制料金を採用しているため、大量の処理をしていると思わぬ請求が…

プランニングが難しく、どのようにクラウド環境を構築していくのが難しいポイントとなります。自社だけでの検討は難しい場合も多く、最適なプランの構築のため専門業者へ御見積依頼をされることが最短ルートとなります。お悩みのお客様は、こちらからお問い合わせください。

オンプレミスとクラウドを使い分けるハイブリッドクラウドもおすすめ

ハイブリッドクラウドとは、クラウドサービスの異なる形態の組み合わせ、またはクラウドとオンプレミスを組み合わせて構築される環境です。このアプローチは、「クラウド×クラウド」または「クラウド×オンプレミス」と考えると分かりやすいでしょう。

ハイブリッドクラウドの導入は、意図的な選択やクラウド化できないシステムへの対応、移行途中のシステムのためのものなど、さまざまな理由から行われます。

ハイブリッドクラウドはクラウドとオンプレミスの長所が詰まっている

ハイブリッドクラウドの最大のメリットは、クラウドとオンプレミスのそれぞれの長所を活用できる点にあります。

クラウドは初期投資が少なく導入が早い一方、オンプレミスは高いカスタマイズ性を持っています。このようなお互いの良いところを組み合わせることで、機密情報はオンプレミスで厳重に管理し、一般的な業務情報はクラウドで効率的に管理するなど、柔軟な運用が可能になります。

また、クラウドであれば、災害時の迅速な復旧や、アクセス集中時のサーバー負荷の分散など、必要に応じて最適なリソースを活用できるのも大きなメリットです​​。

セキュリティ面でも、ハイブリッドクラウドはクラウドとオンプレミスの長所を兼ね備えています。過去にはオンプレミスの方がセキュリティ面で優れているとされていましたが、現在ではクラウドサービスも高いセキュリティが提供されており、一概にどちらが優れているとは言えなくなっています​​。

このような点から、ハイブリッドクラウドはオンプレミスとクラウドの長所を最大限に活用し、多様なニーズに柔軟に対応するための効果的な選択肢になります。

ただし、設定を間違えるなどして環境が複雑になり、管理やコスト負担が増える場合もあるので注意が必要です。

まとめ

今回はクラウドとオンプレミスについて解説してきました。

どちらかの１つの環境でなければいけないわけでなく、自社に合った環境を選ぶことが大切です。自社に最適なクラウドが知りたい方は、お気軽にご相談ください。