開発プラットフォームとは?活用するメリットやデメリットをわかりやすく解説!

DXの波が押し寄せる今、企業にはアプリケーション開発のスピード品質両立が求められています。その解決策として注目を集めているのが、多様化する「開発プラットフォーム」の活用です。

従来のフルスクラッチ開発から、ローコード・ノーコード、クラウドネイティブまで選択肢は多様化していますが、「自社に最適なプラットフォームは?」「導入効果は本当にあるのか?」といった疑問を抱える企業も少なくありません。本記事では、主要な開発プラットフォームの基礎知識から選定ポイントまで、実践的な視点で解説します。

【基本】開発プラットフォームとは?

開発プラットフォームとは、アプリケーション作成から運用まで一貫してサポートする統合環境です。ハードウェアやOSといった基盤から、フレームワークやツールにいたるまで、開発作業に必要な要素をパッケージ化した環境と考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

開発プラットフォームを活用することで、従来のフルスクラッチ開発では難しかった開発スピードの向上を実現でき、開発者のスキルレベルや用途に応じた多様な選択肢が登場しています。

主な開発プラットフォームの種類 

一口に開発プラットフォームと言ってもさまざまなタイプの製品が存在します。自社に合ったものを選ぶためには、まず大まかな種類の違いを理解しておく必要があります。その特徴を押さえておきましょう。

従来型コード開発プラットフォーム

フルスクラッチ開発効率化する開発環境を提供するプラットフォームです。豊富なフレームワークやライブラリを活用し、高度な機能実装と細かなカスタマイズが可能です。完全な制御自由度を求める開発者や、複雑な要件を持つエンタープライズ向けシステムに適しています。

そのため、高いプログラミングスキルを持つ開発者やSier、つまり開発会社向けの開発プラットフォームと言えます。このタイプの代表的なプラットフォームとしては、次のようなものがあります。

  • Node.js
  • Django
  • Laravel
  • Android Studio
  • .NET

ローコード/ノーコード開発プラットフォーム

ローコード/ノーコードとは、プログラミングの知識があまりなくても、アプリケーションやシステムを開発できるプラットフォームのことです。テンプレートやドラッグ&ドロップを活用することでアプリができるGUI中心のもので、複雑なコーディングを行わずに業務アプリやワークフローを作成しやすくなります。

基礎的なITスキルがあれば現場で簡単な開発をすることが可能です。複雑な開発については、プログラミングの知識を持つIT部門がアドバイスするといった形で利用されることが多いです。このタイプの代表的なプラットフォームとしては、以下のようなものがあります。

  • Power Apps
  • OutSystems
  • Kintone
  • AppSheet
  • Mendix

PaaS型プラットフォーム

アプリケーションの開発・実行環境クラウドサービスとして提供するプラットフォームです。開発者はサーバーやOSなどのインフラ管理が不要になり、アプリケーション開発に集中できます。

必要に応じて自動的にリソースが増減するスケーラビリティや、高可用性の実現など、クラウドの利点を最大限に活用できる点が特徴です。

プラットフォーム固有の設定やデプロイ方法の習得は必要なため、主にIT部門のエンジニアが利用しています。

このタイプの代表的なプラットフォームとしては、次のようなものがあります。

  • AWS Elastic Beanstalk
  • Google App Engine
  • Microsoft Azure App Service
  • Heroku

ハイブリッド型開発プラットフォーム

ハイブリッド型開発プラットフォームは、GUIによるローコード/ノーコード的な開発手法と、コードやAPIを活用した高度な拡張両立できるのが特長です。画面をドラッグ&ドロップで素早く構築しつつ、必要に応じてカスタマイズコードを追加できるため、標準機能を超えた複雑な要件にも柔軟に対応しやすいのがメリットです。特に機能拡張が頻繁に行われる業務アプリケーションを作成する場面で、高い利便性を発揮するでしょう。

ハイブリッド型は、業務部門とIT部門双方で協業が進めやすい仕組みになっています。このタイプの代表的なプラットフォームとしては、次のようなものがあります。

  • Salesforce Platform
  • intra-mart
  • Power Platform
  • ServiceNow

開発プラットフォームを活用するメリット

開発プラットフォームを使って自社アプリを作成することにはさまざまなメリットがあります。自社に導入する価値があるかを探ってみましょう。

開発コストの削減

開発プラットフォームを導入すると、アプリケーションをゼロから作成する場合に比べて工数が削減できるため、コストダウンが期待できます。クラウドネイティブのプラットフォームサービスを利用すれば、サーバー管理の手間や初期投資を抑えられるため、トータルの開発・運用コストを抑制できる点も大きな魅力です。

業務の属人化リスクの低減

個人のスキルやノウハウに依存したコード開発を続けていると、特定のエンジニアが異動や退職した際に、保守・改修が困難になるリスクがあります。開発プラットフォームを活用することで、標準化されたフレームワークや共通のコーディング規約に沿った開発が促進され、誰が見ても理解しやすいコード構造になり、属人化リスクを大幅に低減できます。

開発プラットフォームを活用する上でのデメリット

たくさんのメリットがある一方で、デメリットも存在します。こうした点を押さえておくことで導入や運用の面で後悔のない決定ができるでしょう。

プラットフォームに関するスキルが必要

非常に簡単に操作できるプラットフォームもありますが、ローコード/ノーコードであっても完全に技術知識が不要というわけではありません。利用するプログラミング言語やUIに関する専門知識、プラットフォームの操作そのものについてのスキルは必要となります。

開発の柔軟性に限界がある

ローコード/ノーコード開発や特定のPaaSを利用していると、提供される機能や拡張性に制約があるため、細かな要件対応が難しいことがあります。表面上はだいたいの機能を実装できても、どうしてもプラットフォーム側のルールに合わせた作業になるため、想定外の要望には対応できないというリスクがあります。

スクラッチ開発の検討も重要

ローコード・ノーコード開発プラットフォームでは思い通りのアプリケーションができないと感じるのであればスクラッチ開発も検討してみましょう。高度なスキルを持つ人材を確保するか外注するかという選択肢になり、コストや開発期間は増大する可能性がありますが、要件にしっかり合致したアプリケーションを作成できるメリットがあります。

開発プラットフォームの選び方【チェックリスト】

ここからは、各プラットフォームを検討するうえで押さえておきたいポイントをまとめています。自社の状況を踏まえ、導入後にトラブルが起こらないようにするためにも事前にチェックしておきましょう。

コスト

導入にかかる初期費用や月額利用料、追加で必要となるサーバー費用など、トータルコストを比較検討しましょう。ローコード/ノーコードやPaaS型では、従量課金のプランも多いため、アプリの使用頻度や期間を考慮して選ぶことが重要です。

開発目的

社内の基幹システムとして稼働させたいのか、それとも効率化ツールとして低コストで稼働させたいのか、といった目的の違いで、適合するプラットフォームは異なります。目的を明確化するほど選択肢を絞りこみやすくなるため、具体的に目的を決定しましょう。

開発規模

アプリケーションの規模感によっても、最適なプラットフォームが変わります。小規模な試験運用や社内手続きのデジタル化であれば、ノーコードツールでも十分な機能ですが、多数のモジュールやデータ連携が必要な大規模システムなら、従来型コード開発プラットフォームが最適です。

拡張性

将来的な機能拡充や外部システムとの連携を見据えて、 プラットフォームの拡張性を確認しましょう。 API連携の柔軟性(外部システムとの接続可否)、カスタムコードの追加可否とその制限、データ容量やユーザー数の上限、プラグインやアドオンの充実度など。特に、将来的な事業拡大機能追加を見据えている場合は、 初期コストだけでなく、拡張時のコストと実現可能性を事前に確認しておくことが重要です。

サポート体制

操作方法や技術的トラブルが生じた時に相談できる窓口がしっかりとあることや、導入や運用についてのアドバイスをしてくれるサポートがあるとスムーズな開発と運用ができます。特に初めての導入の場合はサポート体制の充実度を重視しましょう。

自社のみで進めるのが難しい場合はプロに相談する

どのプラットフォームであっても、ある程度のITスキルや知識が求められます。自社のみでの選定や導入に心配があるなら、外部ITベンダーなどのプロに相談しながら決めると良いでしょう。

まとめ

開発プラットフォームは、アプリケーション作成から運用まで一貫してサポートする統合環境です。従来型のフルスクラッチ開発、ローコード・ノーコード、ハイブリッド型など、多様な選択肢から自社の開発スキルや目的に応じて選択できます。

導入により開発コストの削減と属人化リスクの低減が期待できる一方、開発プラットフォーム固有のスキル習得や柔軟性の制約といった課題もあります。必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、最適な開発プラットフォームを選定しましょう。

開発プラットフォームはイントラマート

開発プラットフォームの選定でお悩みではありませんか?

当社は、ハイブリッド型開発プラットフォーム「intra-mart(イントラマート)」の導入支援に特化したサービスを提供しています。

イントラマートは、ローコード開発の生産性スクラッチ開発の柔軟性を兼ね備えた統合開発環境です。業務アプリケーションの作成から複雑なワークフローの構築、既存システムとの連携まで、企業のDX推進に必要な機能を網羅しています。

当社の導入支援サービスでは、要件定義から開発、運用保守まで一貫してサポート、豊富な導入実績をもとに、お客様の業務に最適な開発環境の構築をお手伝いします。

まずは無料相談から、貴社に最適な開発プラットフォーム活用方法をご提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

\ 開発プラットフォームに関するお問い合わせはコチラ /
ご相談は無料です
>お役立ち資料のダウンロード

お役立ち資料のダウンロード

ブログでは紹介しきれないシステム開発や導入におけるケーススタディを資料にまとめました。お気軽にダウンロードください。

CTR IMG