HULFT(ハルフト)とは?初心者にもわかりやすく解説!

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手作業によるファイル転送のミスやセキュリティ不安にお悩みではありませんか?

この記事では、日本の多くの企業で採用されているファイル転送ツール「HULFT(ハルフト)」について、技術者でなくても理解できるよう、できるだけ簡単に解説します。

HULFTの基本的な仕組みから機能、導入メリットまで、入門者向けに紹介することで、貴社のデータ連携課題をどのように解決できるかが明確になります。システム部門の効率化とセキュリティ向上を実現する参考にしてください。

HULFTとは何か?まずは超シンプルに理解しよう

HULFTの基本概念を、専門用語を使わずにシンプルに説明します。「会社の中の郵便屋さん」というイメージから始めましょう。

HULFTをひとことで言うと?

HULFTをひとことで言うなら「会社の中の”郵便屋さん”」です。さまざまな部署やシステム間のデータを安全に届けるツールです。

通常の郵便と同じように送り先を指定し、相手先に確実に届けます。しかし、HULFTが運ぶのは紙の書類ではなく、デジタルデータです。売上データ、在庫情報、顧客リストなど、会社にとって重要なファイルを、人の手を介さずに自動で転送します。

なぜHULFTが必要なの?

多くの会社では日々たくさんのデータ処理が行われており、これらを「ミスなく」「自動で」「安全に」送るためにHULFTが必要になります。

膨大なデータを人の手で送り続けると、送り忘れや送り先間違いなどにより、漏えいリスクが高まります。HULFTを導入することで、上記のような人的ミスを大幅に減らせるのです。

HULFTでできることをやさしく解説

HULFTの主要な機能について、メージしやすい例を使いながら説明します。実際の業務でどのように活用できるかに焦点を当てて解説していきます。

データを安全に送る(ファイル転送)

紙の書類を手渡しする代わりに、HULFTがファイルを届けてくれるイメージです。HULFTは管理者が設定したルールに従って安全に転送を実行します。送信前にデータの整合性をチェックし、転送中は暗号化でデータを保護します。到着後は正しく届いたかを確認する、「確実な配達証明付きの郵便」のような仕組みです。

データの送り方を自動で管理

「夜10時になったら自動で送る」といったスケジュール設定も可能です。これにより、決まった時間に定期的なデータ連携を実行できます。

スケジュール機能を使えば、「毎日午前0時に売上データを本社に送信」「毎週月曜日の朝に在庫レポートを各店舗に配信」といった定型業務完全自動化できます。担当者が忘れる心配もなく、休暇中でも業務が滞りません。

さまざまな機械やソフトともつなげる

WindowsLinuxメインフレームなどもつなげる「通訳」のような役割も果たします。異なるシステム間のデータ連携が、HULFTを介することでスムーズに実現できるのです。

HULFTのよくある利用例

実際の企業でHULFTがどのように活用されているかを、具体的な事例を通じて紹介します。

会社の本社と支店でデータを送る

支店の売上データを毎晩本社に自動転送する活用例は、小売業や飲食業で特に多く見られます。各店舗のPOSシステムから売上情報を自動収集し、本部の経営管理システムに送信する仕組みです。この自動化により、従来は各店舗の店長が手作業で行っていた売上報告業務不要になります。

生産現場と管理部門の連携

1日の製造状況を生産実績ファイルで共有する仕組みも、HULFTの得意分野です。工場の生産ラインから出力される品質データや進捗情報を、本社の生産管理システムに自動送信します。この連携により、本社の生産管理者は各工場の状況を一元的に把握でき、全体的生産性向上につながります。

社外(取引先)へのデータ連携

取引先に送る注文データや請求情報なども、HULFTならセキュアに送れます。取引先にもHULFTが導入されていればHULFT同士連携ができるので、処理時間短縮コスト削減を実現します。

HULFTのメリットをわかりやすく解説

HULFTを導入することで得られる具体的なメリットを、業務改善の観点から詳しく説明します。

手間が減る(自動化)

人が行う入力や送信にはどうしてもミスがつきものです。しかし、HULFTにスケジュール設定を行っておけば、自動実行で正確にデータを送ってくれます。おかげで手作業による送信ミスがなくなり、多くの企業で残業時間削減を実感されています。

安全性が高い(セキュリティ)

情報漏洩を防止するため、HULFTは暗号化通信などの仕組み機能を備えています。不正アクセス対策や権限管理も含めて対策されているため、安全に企業間・部署間のデータ共有ができます。

送った・届いたが記録に残る(見える化)

「ちゃんと届いたかどうか」がログ残るので安心です。送信エラーや到着状況が一目瞭然になると、万が一転送に失敗してもリカバリが可能です。こうした管理性の高さは、多数の現場や取引先を抱える企業にとって非常に便利なポイントです。

他のファイル送信方法との違いは?

HULFTと従来のファイル送信方法を比較することで、その優位性を明確にします。

メールやUSBとの違い

メールの場合、人力で送る必要がある上にセキュリティが弱いという課題があります。添付ファイルの容量制限や、誤送信のリスクも無視できません。

USBメモリでの受け渡しは、現地に持っていかないといけない上に、紛失のリスクもあります。また、USBメモリ経由でのウイルス感染も大きな脅威となっており、多くの企業でUSBの使用が制限されています。

FTPやSFTPとの違い

HULFTは「誰が」「いつ」「どこに」送ったかをわかりやすく記録し、転送失敗時の自動リカバリ機能もあります。このような機能は、FTPやSFTPでは別途プログラムを作成する必要があります。

また、FTPやSFTPは技術者でなければなかなか操作が難しいのですが、HULFTは技術者でなくても直感的に操作できる管理画面を備えています

HULFTはどんな会社が使っているの?

HULFTは一体どんな会社が使っているのでしょうか?導入実績や業界について解説します。

使っている業種は?

製造、金融、物流、小売、医療など幅広い業界でHULFTが採用されています。特に、大量のデータを定期的に処理する必要がある業界では、その価値が高く評価されています。

製造業では、生産管理システムと品質管理システムの連携、工場間でのデータ共有などに活用されています。金融業では、勘定系システムと情報系システム間のデータ連携、支店と本店間での取引データ連携などが主な用途です。

日本の大手企業での導入実績多数

セゾンテクノロジー(旧セゾン情報システムズ)が提供しており、国産サポート充実しています。ファイル転送ツール分野で20年連続国内シェア第1位を獲得しており、製造業・金融業・流通業をはじめとする多くの大手企業で導入されています。

HULFTにはどんな種類があるの?(初心者向けの違い)

HULFTの製品ラインナップを初心者にもわかりやすく説明します。

HULFT(基本版)

ファイル転送特化したスタンダードな製品です。シンプルで使いやすく、価格も抑えられているため、初めてHULFTを導入する企業に最適です。基本版では、ファイルの送信・受信、スケジュール実行、暗号化転送、ログ管理など、ファイル転送に必要な機能がすべて揃っています。

HULFT Square・DataCatalogなど

HULFTシリーズには、ファイル転送にとどまらず、さまざまなデータ活用を支援するソリューションが用意されています。

「HULFT Square」は、クラウドを活用したデータ連携基盤であり、GUI操作で多様なシステム間のデータフローを構築・実行できるのが特長です。一方、「DataCatalog」は、社内外に散在するデータ資産を一元的に可視化管理するためのツールで、データの検索性や活用効率を高める役割を担います。

HULFT Integrate

HULFT Squareにおけるデータ連携の中心的な役割を果たすコンポーネントで、画面操作により連携処理の設計と実行が行える機能です。

まとめ:HULFTは”会社の中の郵便屋さん”!

HULFTは「データを安全に確実に届ける」ための便利ツールです。郵便屋さんがどんな天候でも確実に郵便物を届けるように、HULFTはどんな状況でもデータを安全に転送します。

手作業を減らし、ミスや漏洩を防ぎ、働きやすい環境をサポートしてくれる点は、現代の企業経営において非常に重要な価値提供です。社内の業務自動化やDX(デジタル化)にもぴったりな”縁の下の力持ち”として、HULFTは多くの企業で活躍しています。

より包括的なデータ連携をお考えなら「webMethods」もご検討ください

HULFTのデータ連携をお考えの企業様には、当社が取り扱うwebMethodsもおすすめです。webMethodsは、ファイル転送を超えたAPI統合や業務プロセス自動化を可能にするiPaaS(統合プラットフォームサービス)であり、HULFTでは対応しきれない要件にも対応可能です。

お客様の要件に応じて、最適なソリューションをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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