HULFT Squareとは?機能・料金・他社データ連携ツールとの比較で選び方を解説 

HULFTでファイル連携はできているけれど、最近増えてきたSaaSとのデータ連携に手間取っている、2027年8月のDataSpider Cloudサービス終了に向けてそろそろ次の手を決めないといけない・・・日々の業務で、こうした悩みを抱えている情報システム部門やIT担当者の方は多いのではないでしょうか。

システムがクラウドへと移行していく中、オンプレミスに残る基幹システムと多様なSaaSをどう繋ぐかは、多くの企業にとって避けて通れない課題です。

この記事では、日本発のiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)HULFT Square を軸に、これからのデータ連携のあり方を解説します。製品のスペックを紹介するだけでなく、ASTERIA Warp CloudやWorkato、Zapierといった、現場でよく比較されるツールとの違いも整理しました。自社の環境にとって、どのツールが最適な選択肢となるのか、後悔しないための判断基準をお伝えします。

HULFT Squareとは?

HULFT Squareは、ファイル転送とデータ変換という、これまで別々の製品で担っていた役割をクラウド上で1つにまとめた、株式会社セゾンテクノロジー提供のデータ連携サービスです

具体的には、以下の2つのエンジンが中核となっています

HULFT Integrate(データ変換・ETL機能)

 国内のデータ連携(ETL/EAI)分野で長年使われてきたDataSpiderの機能をベースにした領域です。システム間で異なるデータの形式や文字コードを、プログラミング(コード記述)なしで変換します。例えば「オンプレミスの販売管理システムから出力されたCSVを、Salesforceのフォーマットに合わせて加工し、APIで流し込む」といった処理を得意とします。

HULFT Transfer(ファイル転送・MFT機能)

ファイル転送ツール市場で21年連続国内シェアNo.1の実績を持つ「HULFT」の機能をベースにした領域です。大容量のデータや、絶対に欠損が許されない重要ファイルを、暗号化しつつ確実な履歴管理のもとで転送します。途中でネットワークが切れても、最初からではなく途中から転送を再開できるチェックポイント機能など、インフラとしての堅牢性を備えています。

これまで「自社でサーバーを立てて、OSのアップデートをして、ソフトウェアの保守をして……」と手間がかかっていた基幹系のデータ連携環境を、Webブラウザ上の操作だけで完結できるのが最大のメリットと言えます。

主要データ連携ツールとの比較

ツール選びで大切なのは「何をどこまで連携するか」です。ここでは、企業のIT基盤として検討に上がりやすい3つの製品とHULFT Squareの違いを整理します。

まずは、現場でよく比較検討の対象となる代表的な製品との比較表をご覧ください。

■ エンタープライズ向けデータ連携ツール比較表

比較軸HULFT SquareASTERIA Warp CloudWorkatoZapier
主な用途基幹システムとSaaS間の連携、大量データ処理、ファイル転送 基幹システムとクラウド間の連携、データ統合 SaaS同士の高度な連携、AIエージェントを使った業務自動化 SaaS同士の簡易な連携、個人やチームレベル 
強みファイル転送(HULFT)と変換処理(DataSpider)を統合し、大量データの処理に強い 国内EAI/ESB分野で長年シェアNo.1の実績、Salesforce・kintone等100種以上のアダプタを標準提供 1,200種類以上の豊富なコネクター、世界的に採用される最先端のiPaaS機能 9,000種類以上の対応アプリ、月額数千円から始められる手軽さ 
提供形態フルマネージドSaaSフルマネージドSaaSフルマネージドSaaSフルマネージドSaaS
データ処理のタイミング スケジュール実行・イベントトリガーの両方に対応(大量バッチ処理が得意) Cloudスケジュール実行・イベントトリガーの両方に対応(柔軟な設計が可能) イベントトリガー中心(Webhook・API連携でリアルタイム実行) リアルタイム処理(簡易な自動化向け) 
閉域網(セキュア接続)への対応◎(専用の閉域接続サービスあり)○(閉域接続オプションあり、データマスキング機能で代替 ) △(オンプレミス・エージェント「OPA」経由での接続)✕(基本的にインターネット経由。社内規定が厳しい企業では注意が必要)
HULFT/DataSpider資産からの移行 ◎(思想・操作が共通で学習コスト低い)△(別製品のためゼロから再設計が必要)✕(設計思想が全く異なる)✕(用途が全く異なるため、移行ではなく使い分けが必要)

※本比較表では、フルマネージドSaaS(iPaaS)としての提供形態に統一して比較しています。ASTERIA Warpには、オンプレミス/IaaSにインストールして利用するサブスクリプション版(月額3万円〜)や標準ライセンス版も存在しますが、クラウド型データ連携プラットフォームであるHULFT Squareとの比較公平性を保つため、iPaaS版の「ASTERIA Warp Cloud」を比較対象としています。

HULFT Squareが向いている企業・他製品が向いている企業 

どんなに高機能なツールでも、自社の環境に合わなければ宝の持ち腐れになります。ツールの選定は”できる””できない”ではなく、自社の目指す運用体制にマッチするかで判断することが重要です。

HULFT Squareが向いている企業

  • すでにHULFTやDataSpiderを使っている企業
    比較表にもある通り、既存の連携処理をHULFT Square上で再構築する際、「概念の共通性」が大きなメリットになります。操作画面や設定の作法が既存製品と似ているため、新しいツールをゼロから学び直す必要がなく、チーム全体の学習コストを低く抑えられます 。
  • 「ファイル転送」と「データ加工」を別々に管理したくない企業
    拠点や取引先からファイルを安全に受け取り、その内容を加工してデータベースや基幹システム、SaaSに連携するといった処理を、複数の製品やツールを跨いで管理するのは手間がかかります。HULFT Squareなら、ファイル転送からデータ変換までを1つの画面(プラットフォーム)でシームレスに繋げられ、システム運用の効率化とコスト削減に直結します。 
  • 日本特有のデータ要件(文字コードや和暦など)がある企業
    国産ツールならではの強みとして、全角・半角の混在やJISコードといった、海外製ツールが苦手とする日本独自のデータ処理に標準で対応しています。
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他製品が向いている企業

  • SaaS同士の簡易的な通知や個人レベルの自動化を主目的とする企業
    この場合は、Zapierの方が圧倒的に安く、早く始められます。大がかりな基盤を入れる必要はありません。
  • 海外製SaaSを中心に、複雑なリアルタイム連携やAI活用を進めたい企業
    HULFT Squareが「大量のデータを一括で処理する(バッチ処理)」ことを得意とするのに対し、「あるSaaSでデータが更新された瞬間に、別のSaaSを動かす」といった機敏なリアルタイム連携には、Workatoがおすすめです。海外の最新ツールを複数組み合わせた、高度な業務自動化を目指す環境に適しています。 
  • 国内SaaSや多様なシステムと繋ぐ「専用アダプタ」の豊富さを重視する企業
    ASTERIA Warp Cloudは、Salesforceやkintoneなどと簡単に接続できる「アダプタ(システム同士を繋ぐ専用の変換プラグのようなもの)」を100種類以上備えている点が強みです。また、オンプレミス版(ASTERIA Warp)も提供されているため、「クラウドとオンプレミスをまたいで、同じツールを使い分けたい」という企業にとっては有力な選択肢となります。 

HULFT Squareの料金体系

表面的なライセンス費用だけでなく、今かかっている「サーバーの維持費」や「保守工数」を差し引いたトータルコストで比較することが重要です。

HULFT Squareの料金は、扱うデータ規模に合わせて4つのプランがあります。

プラン名月額利用料(税抜)コネクター数月間APIコール数主な用途
Starter24万円〜17種類1万回特定SaaSとの連携、スモールスタート
Standard52万円〜20種類10万回部門間を跨ぐデータ連携基盤の構築
Enterprise120万円〜23種類100万回大規模・高頻度な全社データ連携
Premium500万円〜要問合せ要問合せお客様独自の専用環境構築

※詳細な仕様や最新の価格については、公式HPをご確認ください。

導入時はトータルコストで評価する

既存のHULFTやDataSpiderのオンプレミス版を使っている方からすると、今の保守費用と比べて値上がりすると感じるかもしれません。しかし、クラウド(SaaS)へ移行する際に比べるべきは、インフラを含めたトータルの維持コスト(TCO)です。

今の連携環境を維持するために、毎年以下のような”見えないコスト”がかかっていませんか?

  • サーバー機器の購入費やデータセンターの利用料
  • OSやミドルウェアのライセンス費・サポート費
  • 5年ごとのハードウェアリプレイス(再構築)費用
  • OSのパッチ当てや障害監視にかかる、情シス担当者の見えない人件費

HULFT Squareへ移行すれば、こうしたインフラの運用保守にかかる費用や手間がまるごとなくなります。ライセンス費用は上がっても、ハードウェアの運用費や人件費が削減できることで、トータルでは大きな差額にならない場合もある、という視点で試算してみてください。 

また、DataSpider Cloudをご利用中の方がHULFT Squareへ移行することで、別途運用していたファイル転送(MFT)の基盤を1つに統合できる可能性があり、全社的な運用コストの削減に繋がるケースもあります。

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HULFTシリーズからHULFT Squareへ移行する際の注意点

既存の連携設定(スクリプト)は、仕組みがクラウド向けに新しくなっているため、そのまま自動移行することはできません。HULFT Square上で再度組み直す作業が発生します。

それなら他社ツールに乗り換えようか、という選択肢が挙がることもありますが、HULFT Squareには”これまでの製品と操作感が同じ”という強みがあります。

画面(GUI)や設定の考え方が共通しているため、新しいツールの専門用語をゼロから勉強し直すより、圧倒的に早く、低い学習コストで新しい環境を構築できるのが最大のメリットです。

スムーズに移行するための3ステップ

  1. 不要なフローを整理する: 誰も使っていない古い連携フローは、この機会に廃止する。 
  2. 優先順位をつける: 重要な基幹連携から段階的に移していく。
  3. まずは試す: PoCプログラムやハンズオンセミナーを活用し、自社で一番重たい処理が組めるか確認する。 

移行作業は、長年使ってブラックボックス化したシステム環境を大掃除する良いチャンスでもあります。焦らず計画的に進めていきましょう。

まとめ

HULFT Squareは、ファイル転送とデータ連携を1つのクラウド基盤に統合したiPaaSであり、特に既存のHULFTやDataSpiderユーザーにとっては、慣れ親しんだ操作感をそのまま活かして移行できる強みがあります。

ただし、ツール選びの正解は自社の目指す姿によって変わります。SaaS連携の規模感、必要な処理方式(バッチか、リアルタイムか)、セキュリティ要件、既存資産との親和性、こうした観点を整理した上で、トータルコストでの比較を行うことをおすすめします。

HULFT Squareへの移行や、他ツールとの比較検討でお悩みの方は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。貴社の環境に最適な移行プランを、プロの視点からご提案いたします。

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