ITエンジニアというと、システムエンジニアやプログラマーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は、ITエンジニアで一括りにしてしまうととてもたくさんの種類があります。
その中でも今回は、分かりやすいように4つの分類に分けて、そこからさらに13種類の職種に分類しご紹介したいと思います。
この記事では、ITエンジニアの種類と仕事内容、必要なスキルや将来性についてわかりやすく解説していきます。ITエンジニアについて知りたい方やITエンジニア不足に困っている方に役立つ情報となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
そもそもITエンジニアとは?
ITエンジニアは、Information Technology(情報技術)の専門的な知識を有する技術者のことを指します。システムの設計・構築・開発・運用・保守などの情報技術に関連する全般業務を担う職種です。近年の社会環境は、非常に多くの分野でデジタル化が進んでいます。スマートフォンや人工知能(AI)の発展により、ひとびとの生活環境を根本的に変革しています。その変革を担っている技術者がITエンジニアで、業務の多様性は日々拡大しています。
ITエンジニアの種類と仕事内容
一言でITエンジニアと言ってもその業務の幅はとても広く、また領域も異なります。ITエンジニアにはどのような種類があり、どのような仕事を担当し、どのようなスキルが必要なのか、一つ一つ確認していきましょう。
開発系エンジニア
まずは、ITエンジニアといえば最も思い浮かべることが多いであろう開発エンジニアからご紹介します。開発エンジニアも細分化するとたくさん種類があるのですが、今回はシステムエンジニア、プログラマー、組込みエンジニア、アプリケーションエンジニアの4種類をご紹介します。
システムエンジニア(SE)
仕事内容
システムエンジニアは、SEと呼ばれることが多く、業界に限らず情報システム全般で使われる名称です。業務としては、主にシステム開発の上流工程を担当するエンジニアです。一般的に上流工程とは、現状分析、要件定義、外部・内部設計などの業務を受け持ち、お客先様のニーズと業務フローを基にシステム全体の設計図を作成します。
求められるスキル
お客先様とのミーティングやレビューが頻繁に行われるので、コミュニケーション能力と分かりやすく明確なドキュメントを作成する能力が重要視されます。また、開発プロジェクト全体の流れを理解して、要件定義書や設計書を作成するため、開発スキルが求められます。
将来性
テクノロジーの進歩とともにシステムエンジニアの需要は年々増加しており、その将来性は非常に明るいです。
プログラマー(PG)
仕事内容
プログラマーは、アプリケーションやシステムを作るためにプログラミング言語を用いてコードを書くエンジニアです。こちらもSE同様、業界に限らず情報システム全般で使われる名称です。システムエンジニアから「詳細設計書」を受け取り、プログラムに置き換えていきます。また、単にコードを書くだけでなく、システムのバグを特定して修正する責任も担います。
求められるスキル
主要なプログラミング言語(例:Java, Python, C++, JavaScript)に精通していることは必須です。また、プロジェクトはチームで進められることが多いため、コミュニケーションスキルはとても大切です。
将来性
昨今の人材不足もあり、デジタル化が進む中でますます重要になってくる職種といえます。しかし、AIの進歩により一部のプログラミング作業は自動化される可能性があります。これにより、ルーチンワークや単純なコーディングの需要は減少するかもしれません。ですが、複雑な問題解決や新しい技術の開発、AIシステム自体の開発とメンテナンスなど、高度な専門知識を必要とする分野では引き続きプログラマーは重要だと予想されます。
組込みエンジニア
仕事内容
組込みエンジニアとは、、特定の機能を持つハードウェア製品に組み込まれるソフトウェアを設計・開発するエンジニアです。これには、自動車のエンジン制御システム、家電製品の操作パネル、工業用ロボットの制御ソフトウェアなどが含まれます。
求められるスキル
CやC++などのプログラミング言語に加えて、マイクロコントローラ、ハードウェアとのインターフェース、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)に関する知識が必要です。また、限られたリソースを効率的に使用するスキル、デバッグと問題解決の能力も重要とされています。
将来性
昨今のIoTの台頭や自動車産業の進化、スマートデバイスの普及により、組み込みエンジニアの需要は高まっています。今後も様々な産業での組込みシステムの重要性が増すため、需要は安定して高いままであると予想されます。
アプリケーションエンジニア
仕事内容
アプリケーションエンジニアとは、WEBアプリやスマホアプリなどのアプリケーションの開発を行うエンジニアのことです。業務アプリなど、アプリ全般の設計・開発を担当します。
求められるスキル
開発に必要なプログラミング言語、データベース管理、デバッグなどの改修知識はもちろん、お客様との良好なやり取りのためにコミュニケーションスキルも必須です。
将来性
モバイルアプリやクラウドベースのサービス拡大に伴い、アプリケーションエンジニアのスキルは非常に重宝されるようになっており、今後もその需要は増え続けると予想されます。
Web系エンジニア
Webエンジニアとは、インターネット上のWebサイトの作成・Webサイト向けのアプリケーションソフトウェアの設計・開発を担います。今回は、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアの2種類をご紹介します。
フロントエンジニア
仕事内容
フロントエンジニアは、Webサイトやアプリケーションのユーザーインターフェイス(UI)の設計と実装を担当します。ユーザーが直接触れるWebページのレイアウトや機能をHTML、CSS、JavaScript等の言語を用いて構築します。
求められるスキル
お客様との打ち合わせ機会も多いためコミュニケーション能力も重要ですが、最も重要なものは画面デザインのセンスです。また、Webサイト向けの開発方法はどんどんアップデートされる傾向にあるので、新しい技術への興味や知識を常にアップデートする能力、クリエイティブな思考を持つ技術者に向いています。
将来性
生成AI・IT技術の進歩によりAI機能が代役になることも予想されます。完全になくなることはないとは思いますが、フロントエンドエンジニアの需要が少し減少することが予想されます。
バックエンドエンジニア
仕事内容
バックエンドエンジニアは、ウェブサイトやアプリケーションのサーバー、データベース、アプリケーションのロジックを担当するエンジニアです。ユーザーが直接見ることのない部分を管理し、データ処理、APIの実装、セキュリティの保守などを行い、システムの基盤を支えます。
求められるスキル
Java、Python、Rubyなどのプログラミング言語に加えて、SQLなどのデータベースに関する知識が必要です。また、Webサイトを安全に運営するためのセキュリティに関する知識やクラウドサービス(例:AWSやAzure)の知識も必要とされています。
将来性
デジタル化が進む中、今後ますます重要な職種だとされています。データ駆動型のアプリケーションやクラウドの需要増加に伴い、今後も引き続き高い需要が見込まれます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、情報システムの「基盤」を構築・管理するエンジニアのことを指します。インフラを設計・構築し、継続的に動作するよう運用・保守を担います。今回は、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、データベースエンジニアの3種類についてご紹介します。
ネットワークエンジニア
仕事内容
ネットワークエンジニアは、インターネットやイントラネットなどのネットワークの設計や構築、運用、保守を行うエンジニアです。ネットワークに関する問題が発生した際のトラブル対応も行います。
求められるスキル
ネットワーク(TCP/IP、ルーティング、スイッチング)に関する知識が必要です。また、CiscoやJuniperなどのネットワーク機器の設定、障害発生時の迅速な対応能力も求められます。
将来性
クラウドの急成長やIoTデバイスの増加により、安定した高速なネットワーク環境の需要が増大しています。これに伴い、専門的なネットワークエンジニアの需要も高まっており、今後も引き続き高い需要が見込まれます。
サーバーエンジニア
仕事内容
サーバーエンジニアとは、サーバーの設計・構築・運用・保守を行うエンジニアです。企業のデータを保存・処理するサーバーを管理し、システムの安定稼働を保つために必要なアップデートやセキュリティ対策を実施します。また、サーバーの障害発生時には迅速に対応し、復旧作業を行うこともあります。
求められるスキル
サーバーエンジニアには、ネットワークやオペレーティングシステム、データベースなどの幅広い知識と、問題解決能力が必要です。また、クラウド技術の普及に伴い、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などのクラウドサービスに関する知識も重要となっています。
将来性
データ量の増加とクラウドサービスの普及に伴い需要が高まっています。企業のITインフラが複雑化する中で、サーバーの専門知識を持つエンジニアは引き続き重要であり、その需要は今後も安定していると予想されます。特にセキュリティやクラウド技術に精通しているサーバーエンジニアは、高い需要が続くことが想定されます。
データベースエンジニア
仕事内容
データベースエンジニアとは、主にデータベースの設計・開発、運用・保守を行うエンジニアです。データベースは情報の管理や分析、共有などに使われるシステムで、大きな倉庫のようなものです。そのため、企業内でうまく情報を格納したり、取り出せるようなシステムを設計することがとても重要な業務となります。
求められるスキル
SQLなどのデータベース言語に関する知識は必須であり、データモデリング、データベース設計、パフォーマンスチューニングなどの技術も必要です。また、セキュリティ面や災害復旧計画などの管理能力も必要とされています。
将来性
データが重要な資源となっている現代において非常に高い需要があり、その需要は今後も増え続けると予想されます。
上記以外のITエンジニア
これまでに紹介したITエンジニア以外にも基幹システムの運用、営業をサポートする業務を担う職種などがあります。社内ITエンジニア、セールスエンジニア(SS)、セキュリティエンジニアの3種類をご紹介します。
社内ITエンジニア
仕事内容
社内ITエンジニアは、別名社内SEとも呼ばれます。企業によっても範囲が大きく違うのですが、社内のネットワーク、サーバー、データベースの管理、社内ユーザーのテクニカルサポート、ITセキュリティなどを管理するエンジニアです。社内ITエンジニアは何でも屋さん化することも多く、ITに関することなら全て対応することになり、ヘルプデスクとしても活躍します。
求められるスキル
ハードウェアとソフトウェアのトラブル解決スキル、セキュリティ対策、データベース管理など、さまざまなITシステムの総合的な能力が求められます。また、社内のあらゆるトラブルに対応する必要もあり、コミュニケーション能力も非常に重要とされています。
将来性
社内システムのトラブル管理者としてニーズが高い職種といわれています。しかし、正規雇用では管理コストが増すためアウトソーシング化する企業もあり、今後の需要予測としては減少傾向が予想されます。
セールスエンジニア
仕事内容
セールスエンジニアは、技術的製品やサービスの販売を支援するエンジニアです。お客様の技術的なニーズを理解し、最適な製品やソリューションを提案、サポートします。商品の良さやメリットをお客様に伝えることも大切な役割です。
求められるスキル
扱う製品やサービスについて深く学び、知識を深める能力が重要視されます。また、会話力、顧客指向のアプローチ、問題解決能力、商談の進行とクロージングのためのセールススキルなど、営業としての要素も必要になります。
将来性
今後も需要は変わらないと予想されます。益々AIが活況となる時代ですが、複雑な技術製品やサービスを理解しお客様に伝えるということは、”人間”にしかできないことです。
セキュリティエンジニア
仕事内容
セキュリティエンジニアは、社内外の情報セキュリティを専門に担当するエンジニアです。企業のネットワークにファイアウォールを導入し外部からの不正アクセスを防いだり、社員のPCにウイルス対策ソフトを導入し、マルウェア感染を防ぐこともセキュリティエンジニアの仕事です。また、社員に対してセキュリティ対策の重要性を伝えることも重要な役割で、定期的な研修や啓発活動を行う役目も負っています。
求められるスキル
言語知識だけではなく広範なIT知識と、特にネットワークとシステムのセキュリティに関する深い理解が要求されます。また、最新のセキュリティ脅威と対策を常に把握し、迅速に対応できる能力も必要です。
将来性
近年はサイバー攻撃の高度化に伴い、セキュリティエンジニアの需要が高まっています。専門的なセキュリティ対策が必要とされており、これからもこの分野の専門家は非常に重要で、需要は高まる一方です。
まとめ
この記事では、ITエンジニアと呼ばれる中の13種類の職種についてご紹介しました。
- 開発エンジニア
- システムエンジニア(SE)
- プログラマー(PG)
- 組込みエンジニア
- アプリケーションエンジニア
- Web系エンジニア
- フロントエンジニア
- バックエンドエンジニア
- インフラエンジニア
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- データベースエンジニア
- 上記以外のITエンジニア
- 社内ITエンジニア
- セールスエンジニア
- セキュリティエンジニア
ITエンジニアは慢性的な人材不足の状況が続いています。それに伴い、なかなか自社採用が追い付かない企業様も多いのではないでしょうか。昨今は、ITエンジニアをアウトソーシングする時代です。当社では単なるエンジニアの派遣だけでなく、コストを抑えた開発が可能なラボ型開発を提供しております。システム開発・運用については、CMKまでお気軽にお問い合わせください。