インフラエンジニアを目指すにあたり、知識を増やす際に最も優れている方法が資格取得のために学習を進めることです。しかし、一言で「インフラ」と言っても様々な業務がありますし、資格も数えきれないほどあります。
そこで今回は、インフラエンジニアにおすすめの資格をご紹介していきます。自分に合った資格を見つけ、仕事に役立つ知識を身につけながら資格取得を目指していきましょう。
IT業界における資格のメリットと分類
インフラに限らずとも、IT業界において資格の位置付けは共通しています。そのため、間違った認識で資格を得てしまうと、せっかくの努力が水の泡になり兼ねません。ここではまず、IT業界において資格はどのようなメリットがあるのかと、資格は大きく分けるとどのように分類できるのかを確認していきます。
資格は「知識」の証明
たくさんの資格がある中で、取得すると履歴書や名刺に記載できて周りの人にも頼られる場面があるかもしれません。しかし、ここで勘違いしがちなのは資格があるからといって即戦力として活躍できるかというと、そうとも言い切れません。
資格試験の学習を始めると気づくかもしれませんが、実践的なことよりも知識量を問われます。そのため、資格があるからといってもスキルがあるという証明にはならないことが現状です。就職試験の際に、資格を持っているよりも実務経験が重視されるのはこのためです。
しかしながら、知識があればスキルも身につきやすいので就職する際に有利になることもあります。スキルと知識は似て非なるものですので、これらを混同しないように注意しながら目指す資格を定めていきましょう。
インフラ系資格は国家試験とベンダ系試験
資格を大まかに分けると、国が主導している国家試験と様々なベンダが主催している試験に分けることができます。これらに関してどちらが優れているというわけではありませんが、国家試験の特徴は知識中心であり受験費用が安いです。逆に、ベンダが主催する試験に関しては技術に寄った知識が必要になり、受験費用は種類にもよりますが高額です。
国家試験に関しては、登竜門であるITパスポートに始まり、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験と続き、その後に様々な専門に分かれる高度情報技術者試験と続きます。
現場でのリアクションを見ると、応用情報までは新卒のうち取得していれば注目されますが、実務となると高度情報の一つを取得していなければ注目は集めません。また、ベンダ系試験にもよりますが、わりと簡単な試験でも実務知識がある分注目を集めやすいという特徴があります。
国家試験のオススメTOP2
それでは、具体的に国家試験について見ていきます。先ほどご紹介した通り、転職や実務的に注目される資格は高度情報からとなります。
もちろん応用情報を持っている人と何もない人とでは差は生まれますが、広い知識を聞かれるためあまりインフラに特化していないのが現状です。高度情報は非常に難しい試験とはなりますが、取得することによって専門的な知識を広く身につけることができるので、長い目で見ても取得を目指す価値はあります。そこで、インフラエンジニアであれば取得したい高度情報試験をご紹介していきます。
ネットワークスペシャリスト
インフラエンジニアに大人気の試験がネットワークスペシャリストです。ネットワークの構成はもちろんのこと、通信の具体的な内容までしっかりと理解していなければ合格は難しいです。しかし、もしインフラエンジニアを目指すのであればこれらの知識は是非とも持っておきたい内容ばかりです。
なかなか合格できない理由としては、午後の記述で合格できない方が大勢いるためです。また、問題文も非常に長いことから、慣れも必要になり難易度が上がっています。一問一答程度であれば、インフラエンジニアには取得して欲しい内容ばかりなので根気強く学習を進めることによって、業務に役立つ専門知識が身につくことは間違いありません。
情報処理安全確保支援士
インフラエンジニアの中でもセキュリティに携わる方は是非とも受験して欲しい資格が情報処理安全確保支援士です。こちらは以前セキュリティスペシャリストという試験でしたが、近年支援士制度となりました。内容としては日々起こるセキュリティの脅威からシステムを守るためにどのような対策を行うのか、どのような攻撃の種類があるのかなどを学びます。また、試験合格後に登録することによって支援士を名乗れるようになります。
ファイアウォールの見方やサーバの動かし方などを学ぶわけではありませんが、インフラエンジニアとしてセキュリティにどのような点に注意しなければならないのかを知っておく必要があるため、おすすめの資格となります。
注目を集める外せないベンダ系試験TOP4
ベンダ系試験においては、受験料が高額になるものの専門的な知識が問われるので、業務で使用する内容であれば就職試験で有利に働くことが多いです。しかし、ベンダごとに試験が設けられているため、どの試験を受ければ良いのかわからなくなってしまう方も多いかもしれません。そこで、特にオススメしておきたい資格をご紹介していきます。
CCNA
ネットワーク系、特にスイッチにおいて圧倒的なシェアがあるシスコ社が主催のCCNAは、ネットワークエンジニアであれば取得したい試験です。シスコ製品に特化しているかと思いきや、実はネットワーク機器の多くはシスコに似た設定方法となっていますので、この資格があればある程度機器を操作することが可能です。基本的なネットワーク知識も試験合格には必要になるため、CCNAを持っていればネットワークの知識がある証明にもなります。
CCNAの下にCCTという資格もありますので、いきなりCCNAが厳しいという方であればこちらから受験し、CCNA取得後はCCNPにチャレンジしてみるのも良いです。
LpiC/LinuC
Linux系の資格で、コマンドを取得したい方はLipC、もしくはLinuCをの受験をおすすめします。Linuxはサーバを操作する際に必須の知識・技能であり、取得していればサーバ関連の仕事に就きやすくなることは間違いありません。なぜ二つの資格を同時に掲載したかと言うと、目指す内容はあまり違いはありませんがLpiCは国際標準資格であり、LinuCは最近できた日本法人が主催する資格です。
こうみると、LpiCのほうが優れているように見えますが、当然世界と日本が求める技術ニーズは異なります。そのため、国際的な企業ではLpiCを、日本国内で完結する企業ではLinuCを重視すると言えるでしょう。しかしながら、現場ではあまりどちらを重視するというわけではなく、どちらかの資格があればLinuxの知識があると認識されています。
AWS
現在エンジニアたちに大人気の資格がAWS関連資格です。Amazonが展開するクラウドサービスのAWSですが、その知識があるという証明になります。
大まかにAWSを分けると、FOUNDATIONAL、ASSOCIATE、PROFESSIONAL、SPECIALTYの順に難易度が分かれています。実際の現場で役立つ知識はASSOCIATEからと言われているので、ASSOCIATEから受験する方が多いです。
この中でもいくつかの資格が分かれており、名称が変わることもありますがインフラエンジニアとして目指したいものはSolutions Architectです。AWSの基本的な知識から、どのようなネットワーク構成にすべきかなど様々な知識が網羅されているため、この試験からAWSの門を叩く方が多いです。現在利便性の良さからAWSを使用する企業が急増しているため、是非とも取得しておきたい資格です。
最近Amazonが無料のAWS学習コンテンツも日本語版で展開しているため、学習しやすいとも言えます。
Azure
AWSをご紹介しましたが、Microsoftが展開するクラウドサービスがAzureです。考え方としてAWSとAzureは共通する部分があるものの、やはり別物と言えます。
企業によってAzureを使用しているところもありますので、希望する企業によってはAzureを優先して取得するほうが良いです。しかしながらAzure資格はAWS資格と比較し、学習が進めにくいと言う難点があります。
基本的には初級、中級、上級と分かれているのですが一つ一つの試験が現在のところ目まぐるしく変わっています。また、日本語で書かれた参考書を探すと、いくつかの資格に限定されることから学びにくいのも事実です。どうしても自分が受けたい試験に日本語の参考書がない場合、電子書籍で購入して翻訳しながら学習を進めていらっしゃる方もいます。
しかし、この状況は逆に言えば資格を持っていることで注目を集めやすいとも言えます。現在のAzure試験は14種類に分かれていることから、より専門的な資格を選択することも可能です。しかし、これからクラウドが主流になっていくことを考えると、今の時期に資格を取得しておいて損はありません。
まとめ
インフラエンジニアの資格をご紹介しましたが、これ以外にもたくさんの試験があります。自分がどんなインフラエンジニアになりたいのかを考え、それに合った試験合格を目指すのがエンジニアとして最も成長できると言えます。
- 国家試験のオススメTOP2
・ネットワークスペシャリスト
・情報処理安全確保支援士
- 外せないベンダ系試験TOP4
・CCNA
・ LpiC/LinuC
・AWS
・Azure
試験は長い目で合格を目指すことも大切です。続けていれば新たな知識も身に付きます。みなさんが試験に合格できることを願っています。