業種、業界問わずExcelは広く使われており大変便利ではありますが、実際のところ問題点も多く存在しています。そのため、Excelからの脱却を目指す「脱Excel」の考え方が注目されています。
これまで通りExcelも使いつつ、BIツールで高速かつ、正確な処理を行うことが最適解だといえます。
本記事では、Excelの問題点や、問題点から脱却するためのBIツール活用方法について解説します。
Excelの問題点について
Excelは資料作成や表計算、データ分析等に使われますが、少し高度なことをする場合は複雑な数式や関数を手動で作業する必要があり、属人化してしまいがちです。また、大量のデータを扱うと処理が遅くなったり、複数人で同時に編集できないなどの問題点があります。
このような問題は業務におけるExcelの限界点であり、スムーズな業務遂行や生産性の低下、意思決定の遅れにつながる可能性があります。
問題を解決するためには、Excelの利点を活かしつつ、Excelが不得意な分野では他のツールを活用することが最適です。適切なツールを選択することで、業務の効率化、正確性の向上、意思決定のスピードアップなどの効果が期待できます。これにより、新規事業の創出にもつながる可能性があります。
脱Excel!BIツールとExcelの違いとは?
Excelの不得意な分野をカバーするツールとして、代表的なものはBIツールです。
BIツールは専門的な知識がなくても比較的に安易に扱えるようになっており、企業のあらゆる情報やデータを分析し、見やすい形で可視化するためのツールです。過去のデータから傾向やパターンを発見し、将来の予測や意思決定に役立てることができる等、とても優秀なツールです。
では、BIツールとExcelの違いについて、3つの項目に分けて比較してみましょう。
【データ処理の能力】
Excelは一度に扱えるデータの量に限界があり、複数のシートを跨いだ複雑なデータ処理を行う場合には処理スピードが落ちたり、固まったりとスムーズに業務を行えないことがあります。
その点BIツールは、大量のデータを高速かつ正確に処理することができます。たとえば、膨大な売上データを処理して、地域ごとの売上推移をグラフ化するような処理でも、スムーズに実行することができます。
【可視化の柔軟性】
Excelは、グラフやチャートを簡単に作成することができますが、作成できるグラフの種類には限界があります。
BIツールは、多彩な種類のグラフやチャートをいとも簡単に作成でき、グラフの外観や表示するデータを自由にカスタマイズすることも可能です。より柔軟なデータの可視化が可能となります。
【データの自動化】
Excelでは、データの入力や加工、グラフ作成などの作業は全て手動で行う必要があります。
BIツールを利用すると、自動的にデータを収集・集計し、グラフやチャートを生成することができます。たとえば、ある指標の変化を毎月報告する場合、BIツールを使えば自動的にデータを収集し、グラフを作成してくれます。これにより、作業の手間やミスの削減につながります。
まとめ
BIツールを活用するメリット・デメリットとは?
BIツールは大量のデータを高速かつ正確に処理し、多彩なグラフを自動的に生成できる半面、コストがかかり、扱い方に慣れる必要があります。
一方、Excelは複雑な処理には対応しきれない等のデメリットもありますが、小規模なデータ分析やデータ可視化に適しています。多くの企業で導入されていることもあり、初心者でも扱いやすいというメリットがあります。
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BIツールの選び方とポイントは?
大きくは、以下3つが重要なポイントになります。
やりたいこと、使いたい機能を明確にする
データの分析や可視化、レポート作成など、必要な機能は企業によって異なります。また、部門ごとに多種多様な様式のデータで管理されている場合、その全てのデータを取り込めるかも確認が必要なポイントになります。
BIツールの操作性
使い勝手が良くなければ、データの分析や可視化などがスムーズに行えず、導入したはいいものの、結局「使われないツール」になってしまいます。
コスト面
必要以上にオーバースペックだと、より高額になることが多く、きちんと自社にあったスペックでコストパフォーマンスに優れたBIツールを選びましょう。
BIツールの活用事例
BIツールは、販売管理や顧客分析、人事管理などの業務に広く活用されています。
下記のように、部門やポジションごとで見るポイントが変わってきます。
■営業
販売データをリアルタイムで把握し、市場動向や顧客嗜好を把握可能
■人事
従業員の勤怠や評価などの情報を一元管理し、経営戦略につなげることが可能
■経営者
会計データ、販売データ、在庫データなどを一元管理すことで、リアルタイムに企業の状態を把握することが可能
市場環境が急速に変化する中迅速な対応が求められますが、これらのデータを活用することで市場の変化を素早く把握し、新たな事業アイデアの発見につなげることができます。
BIツール導入後のExcelの立ち位置
BIツールを導入すればもうExcelは不要になるのでは?と思う方も多いと思いますが、実はそうではありません。
BIツールの機能の一部としてExcelからデータを直接読み込む方法です。この方法を使うことで、Excelに入力したデータがリアルタイムにBIツールに反映され、簡単にデータの更新ができます。
BIツールからExcelにデータをエクスポートする方法です。BIツールで作成したデータをExcelで加工することで、より高度な分析やグラフ作成が可能になります。
BIツールとExcelを連携させることで、Excelの便利な機能を使いながら、高度な分析や判断しやすいように可視化を行うことができます。
Excelにエクスポートされたデータであれば、BIツールの知識がない方でも安易に利用できるのも利点です。正しい知識を持って、効果的に活用することが大切です。
まとめ
ビッグデータの時代に、Excelだけでは太刀打ちできなくなっている昨今。
Excelの良い点は残しつつBIツールを導入することは、課題整理や業務整理からはじめることでDX推進の第一歩にもなり得ます。
また、Excelで時間がかかっていた作業をBIツールに乗せ換えることで業務効率化が進み、小さな積み重ねが大きなコスト削減につながる可能性もあります。
Excel×BIツールの構図は、業務を行う上で非常に重要な項目となってきます。
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