「情シスって、システムの保守や運用をしたり、問い合わせに対応しているだけじゃないの?」と軽く見られてしまう部分もあるのですが、社内のIT環境を支えるのはもちろん、DX推進など重要な役割を担うのが情シスです。
そんな重要な役割を担う情シスですが、課題が山積している企業も多いのです。そんな中、近年ではビジネスのほとんどの場面でITが活用されるため、情シスの質を高めてDXを積極的に進めていきたいという意見もよく耳にします。
この記事では、情シスが抱える課題を7つに分けてご紹介し、解決する方法についても解説していきます。情シスの課題を解決して業務を効率化させたいという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
当社では、確かな情報システム部門支援の実績がございます。全国対応可能となりますので、是非お気軽にご相談ください。
情シスとは
情シス(情報システム部門)とは、企業のITインフラやシステムの管理・運用を担う部門を指します。情シスに明確な定義はありませんが、一般的には「基幹系システム」や「情報系システム」の機能を管理・運用する部門です。
情シスの本来の役割
企業によって情シスの役割は多岐にわたりますが、情シス本来の役割を挙げるなら、大きくはふたつに分かれます。ひとつは、従業員が円滑に業務を遂行するためのITインフラの維持管理、もうひとつは、企業の経営課題を解決するためのIT戦略策定やシステムの企画です。
ITインフラの維持管理は、ネットワークやサーバー、データベースなどの基盤を安定して運用することです。これにより、業務の停滞や情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができ、企業運営にとって欠かせない業務です。
ふたつめの本来の役割は、実際着手できている企業は少ないのですが、情シスとして企業の売上拡大に貢献することです。企業の経営課題に対して、IT技術を用いた戦略策定を行ったり、課題解決に向けたシステム導入の企画を行います。
情シスは細かい業務が多いので、なかなか戦略策定に集中する時間が取れないことも多いのですが、このふたつが大きくは情シスとして本来求められている役割となります。
情シスが抱える課題
情シス(情報システム部門)は業務範囲が広い故の悩みが絶えない部門です。ここでは、情シスが抱える課題を7つに分けてみていきます。情シス業務を考える上で避けては通れない課題なので、自社の情シスの状況と照らし合わせてご確認ください。
情シスは常に人手不足
情シスは間接部門に値するため、上層部の理解を得られず最低限の人員で運営していることが多いです。それだけでなく、世界中でIT人材が不足してることも相まって、スキルのある人材を採用できないことも課題のひとつです。
近年では、多くの企業で当たり前にIT化が進んでおり、DXの取組みも活発です。それに伴い、情シスが行う業務が年々増加しています。”仕事量は増えていくのに人員は増えない”といった負のスパイラルが起きてしまい、増える一方の業務負担が離職率の上昇に直接影響することも多いのです。
情シスは業務範囲が広い
上記でも触れていますが、情シスの担当する業務はシステム導入の企画や開発、管理運用をはじめ、IT機器のメンテナンス、ヘルプデスク業務などと、非常に業務範囲が広いのが特徴です。
情シス部門における本来のコア業務は、業務効率化のためのシステム導入や企業の成長のために必要な戦略を考え、実行することです。しかし、日々の機器メンテナンスや問い合わせ対応に手を取られてしまい、本来行うべきコア業務になかなか時間を割くことができません。本来取り組むべきコア業務に時間を割くためにも、日常の業務をいかに軽減していくのかが情シスにおける大きな課題です。
ひとりの情シス担当者に依存している
ITに関する専門的な知識やスキルを保有している人材は業界全体で足りておらず、この人材不足の状況はこれからさらに深刻化すると考えられています。そんな中で専門性の高い情シス担当者がいれば、その人頼りで物事が進んでしまうことがあります。しかし、頼りのその人物が退職してしまうと、途端にうまく回らず情シス業務が滞ってしまうことも多いのです。
昨今、中小企業を中心に問題になっているひとり情シス問題もあり、たった一人の人物に企業のIT全てを任せてしまうのはあまりにもリスクが高く、大きな課題であることは間違いありません。
本来の情シス業務では成果が出しにくい
情シス業務の本来のコア業務は、企業が成長するための戦略を企画・実行し、全社的な取組みで会社の力になることです。しかし、問い合わせ対応など日常の雑多な業務にばかり時間が取られてしまい、本来の業務に時間が割けず成果が出しにくい環境となっている企業は多くあります。
日常業務を圧縮して、いかにコア業務に割く時間を確保するかが、企業の未来を担っている情シスの重要な課題だといえます。
セキュリティ対応が疎かになってしまう
日常業務だけでも手一杯な情シスの場合、セキュリティ対応にまで意識が回らず機器アップデートや情報管理などが疎かになってしまう可能性もあります。セキュリティ攻撃は日々進化しているため、常に最新の状態にアップデートしていなければ、企業の機密情報が危険にさらされてしまいます。また、PC貸与時のセキュリティ設定ミスによる情報漏洩などは、許容されるレベルのミスではありません。
このように重大な事故に繋がってしまう可能性もあり、忙しすぎることが大きな課題のひとつです。
情シスはコスト部門だと思われてしまう
情シス部門は多額の予算を必要とするため、経営層や他部門からコスト部門と見なされがちです。この誤った認識は、情シスが行っている業務の価値が見えにくいことに起因しています。
たとえば、日常的なシステムの運用やトラブル対応は企業全体の安定運営には欠かせないものですが、直接的な利益を生むわけではありません。そのため、情シスの活動が目に見える形での利益として認識されにくく、結果的にコスト部門と見なされてしまうのです。
DX推進が望まれている
情シスに対して、DX推進が望まれているという点もひとつの課題です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業の業務プロセスやビジネスモデルをデジタル技術を活用して革新する取り組みのことで、企業の競争力の向上や新しいビジネスチャンスの創出が期待される取り組みです。
もちろん、DX推進は全ての企業が取り組むべき重要な施策なのですが、日々の業務に追われる情シスには、DX推進まで着手する時間を取ることが難しいのが現状です。
情シス業務の効率化がもたらすメリット
情シスは多くの課題を抱えています。だからこそ、情シス業務を効率化することで、メリットがたくさん見えてきます。具体的にどのようなメリットが期待できるのか見ていきましょう。
コア業務に専念できる
情シスは人手不足だったり業務範囲が広いことで、日々のノンコア業務に手が取られがちです。ノンコア業務とは、社内ヘルプデスクやパスワード解除、ID発行やキッティング作業などです。このようなノンコア業務は、日々の業務の中でも多くの時間を占めているので、ツールやチャットボット、アウトソーシングなどを活用して効率化することで、コア業務に専念できる時間を確保できます。
本来の役割でもお伝えしたとおり、情シス業務で最も重要ともされる業務は、企業が成長・拡大するために必要となるIT戦略を策定する”コア業務”です。情シスのノンコア業務を効率化することで、最も重要とされる情シス本来の業務に専念できるようになります。
社内システムの安定稼働
情シス業務を効率化できれば、社内システムの安定稼働が叶います。日々のノンコア業務に手が取れて忙しい中対応していると、システム運用時に細部まで目が届かないことがあります。
そのためにも、情シス業務の効率化が進めば、社内システム運用にも余裕をもって取り組め、IT環境の改善も期待できます。万が一トラブルが発生した場合にもすぐに対処できるため、従業員の業務の進行を妨げる可能性も低減されます。
経営計画に沿ったDX推進につながる
情シス業務を効率化することで、経営計画に沿ったDX推進に着手する時間の確保が可能になります。今まではノンコア業務に圧迫されていた時間をDX推進に活用することで、情シス本来の業務を全うできるのです。
経営計画に沿ってDX推進を行うことで、経営層へのアピールにも繋がり、コスト部門としての認識を改める良い機会にもなります。
情シスが本来の業務を行うために必要な取り組み
情シスが抱える課題を解決し、本来の業務を効果的に行うためには、いくつかの取り組みが必要です。では、具体的にはどんな取り組みでしょうか。
やるべき業務の範囲を明確にする
やるべき業務の範囲を明確にすることは、情シスが効率的に機能するための第一歩です。具体的には、情シスの担当業務を明確に定義し、どのタスクが重要で優先すべきかを整理します。やるべき業務が明確になれば、情シスのメンバー自身が自分たちの役割を理解し、無駄な業務や重複する業務を排除できるようになるでしょう。
社員のITリテラシー向上
社員のITリテラシー向上も重要な取り組みの一つです。すべての従業員が基本的なITスキルを所持するだけで、各自で問題解決が可能になります。そうすると、情シスへの依存が減少し、問い合わせ対応に取られていた時間を、より重要な業務に充てることができます。従業員のITリテラシー向上のためには、定期的な研修や勉強会の開催、オンライン学習ツールの導入などを検討しましょう。
経営層に情シスの重要度を理解してもらう
情シスはコスト部門だと捉えられてしまうとご紹介したように、特に経営層には情シスの重要度が理解されていません。情シスの活動や成果を定期的に報告し、具体的な数字や事例を示すことで、経営層の理解を深めていきましょう。明確にDX推進の指示がなくとも、企業の成長のために取り組むべきIT戦略について提案を続けるだけでも、情シスへの意識が変わり重要度が理解されやすくなります。
情シス部門が課題解決のために進めるべき取り組み
ここまで情シスが抱える課題を中心にご紹介しましたが、課題解決のためには進めるべき取り組みがあります。いくつかの方法が存在するため、自社に合った方法の導入を検討してください。
マニュアル・FAQの作成による問い合わせ対応工数の改善
情シスは、社内からの問い合わせ対応に多くの時間を割いています。この問い合わせ対応を効率化するには、頻繁に発生するトラブルや問い合わせの多い内容をわかりやすく明示したマニュアルやFAQを用意し、社員がいつでも確認できる場所に掲示しましょう。こうすることで、従業員自身で問題を解決できるようになり、情シスの負担が軽減されます。
マニュアルやFAQはメンテナンスを怠ると陳腐化しやすいので、定期的に内容を更新し、常に最新の状態になるように意識しておきましょう。
クラウドサービスを導入する
多くの企業で多種多様なIT機器やソフトウェアなどが導入されていますが、これまでは自社システムやサーバーにインストールして使うオンプレミス型がメインでした。オンプレミス型では、自社でメンテナンスや保守するのが一般的なため、ソフトウェアをバージョンアップしたり、OSを更新したりなどと情シスの業務が増加します。
現行の業務のうち、可能なものはクラウドに移行させることで、ベンダー側がインフラやシステムの保守を行ってくれるため、情シスにかかる負担の軽減が可能です。
経営層の意識を変える
先述した通り、情シスは間接部門です。そのため、利益に直結しない、バックオフィス業務に対して人件費をかけることに否定的な経営層の方も多くいます。そのような事態にならないためには、経営層が情シスが抱える課題と必要性について十分に理解し、これから企業を発展させるために必要な投資と認識してもらわなければなりません。
場合によっては情シス業務を効率化させるための、ツールやシステムの導入などを提案しなければならないこともありますので、経営層の意識が変わるよう根気強く説明を続けましょう。
アウトソーシングを活用する
ヘルプデスクやシステム運用などのノンコア業務をアウトソーシングすることで、情シスの業務負荷が軽減しコア業務に割く時間が増加します。また、経験豊富なアウトソーシング企業にお願いすることで、既存業務の改善提案や標準化を行ってくれるため、結果的にコストの削減に繋がる場合が多いです。
まだ余裕があるからそのうちに考えようと思うのではなく、出来るだけ早く課題を解決することをおすすめします。
情シス課題を解決する情シス支援サービス”BPOレンジャー”
情シスのアウトソーシングを検討するのであれば、情シス支援サービスBPOレンジャーをご検討ください。
情シス支援サービスBPOレンジャーとは
情シス部門の課題を、BPOの活用を通じて解決していくサービスです。
多くの課題を抱える情シスは、運用保守やヘルプデスクなどのノンコア業務で手がいっぱいになり、ITを活用した課題解決や売り上げ拡大のためのIT戦略といったコア業務に集中できていないのではないでしょうか。
コア業務に集中するための具体的な施策として、情シス部門のノンコア業務をBPOにアウトソーシングします。そうすることで、手間と時間のかかるノンコア業務が手元から離れ、コア業務に集中する環境が生まれます。このようにお客様の課題を総合的に解決するためのサービスが、情シス支援サービスBPOレンジャーとなります。
ここからは、情シス支援サービスBPOレンジャーの特徴をご紹介します。
経験が豊富
弊社は、設立から約45年分の情シス部門サポートのノウハウを蓄積しています。これまでのノウハウを元に、最適なサービス内容をご提案いたしますので、安心してご利用が可能です。
これまでに、弊社情シス支援サービスを導入いただいたお客様の事例はこちら
メニューが豊富
BPOレンジャーは主に3つに分類されたサービスで、全ての情シス業務のカバーが可能です。
パソコンサポートサービス
情報システム部門で手が取られがちなパソコンサポートは、BPOレンジャーの得意分野です。PCが動かない、windowsの使い方が知りたい、Excelの使い方を教えてほしい、などのパソコンに関する問い合わせを、パソコンサポートサービスにて、一手にお受けすることが可能です。
運用支援サービス
社員の入社・退職時なども含め、やるべきことが決まっている業務の支援サービスです。PCキッティングやデータクレンジング、マニュアル作成など、定型業務であれば、IT以外にも対応が可能です。
ヘルプデスクサービス
基幹システムや会計システム、人事勤怠システムなど、基幹業務に関わる専門性の高いシステムのトラブル対応が可能です。事前にキャッチアップ期間を設けてトラブル対応方法を習得し、マニュアル化、トラブル時、すぐに対応できる体制を確保してサービス提供いたします。
スモールスタートが可能
ご予算に応じて、月間20時間からスモールスタートが可能です。
上記でご紹介した3つのメニューを柔軟に組み合わせた、フレキシブルな対応が強みです。
導入事例のご紹介
まとめ
今回は、情シスが抱えている課題について確認しました。
- 情シスが抱える課題
- 情シスは常に人手不足
- 情シスの業務範囲が広い
- ひとりの情シス担当者に依存している
- 本来の情シス業務では成果が出しにくい
- セキュリティ対応が疎かになってしまう
- 情シスの課題を解決する4つの方法
- クラウドサービスを導入する
- 社員のITリテラシーを高める
- 経営層の意識を変える
- アウトソーシングを活用する