近年、ヘルプデスクをアウトソーシングする企業が増加しています。その背景には、業務効率化やコスト削減といった明確なメリットが存在しますが、実際に外注した場合の費用やメリット、そしてどのようなサービス形態が存在するのかは、多くの企業が気になるポイントでしょう。
本記事では、ヘルプデスクをアウトソーシングする際の費用に焦点を当てながら、ヘルプデスク外注費用がかかってもアウトソーシングすべきメリットを解説します。
ヘルプデスクアウトソーシングの費用相場とサービス形態
ヘルプデスクのアウトソーシングには「月額固定型」と「従量課金型」の2つの型があり、サービス形態としては、常駐型サービス、リモート型サービス、両方の良いとこどりができるハイブリッドサービスの3つが存在します。
費用形態とサービス形態により、実際にかかる費用は大きく変動します。詳しく確認していきましょう。
月額固定と従量課金の2つの費用形態
ヘルプデスクのアウトソーシングには、月額固定型と従量課金型の2つの費用形態があります。
月額固定型は、あらかじめ必要な対応人数や問い合わせ件数などを決めて月額料金を設定する費用形態で、従量課金型は、問い合わせ対応件数に応じて料金が変わる費用形態です。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、アウトソーシングする業務量や予算に合わせて選択しましょう。
月額固定型
月額固定型メリットは、毎月の費用が安定して予算管理がしやすいことです。アウトソーシング企業との契約が長期化することで、問い合わせ内容の傾向が掴みやすくなり、サービスの品質や信頼性が高まることも期待できます。
デメリットは、月々の問い合わせ数が少ない場合でも、固定料金を支払わなければならないことです。また、契約時に定められた問い合わせの数を超えると、その分費用が加算される契約形態も存在するため、事前に確認しておきましょう。
月額固定型は、毎月ある程度安定した問い合わせ件数が発生する場合に向いています。
従量課金型
従量課金型のメリットは、実際に利用した分だけ支払うことができるため、無駄なコストを抑えられることです。問い合わせ件数が予測できない場合や、月によって波がある場合に柔軟な対応ができます。
デメリットは、問い合わせ件数が急増した場合に費用が高くなることです。また、アウトソーシング会社との契約期間が短いとエンドユーザーの特徴が掴めないため、業務が比較的難しい場合はサービス品質が低下する恐れがあります。
従量課金型は、問い合わせ件数が予測できない場合や、短期的に運用したい場合に向いています。
常駐型、リモート型、ハイブリッド型の3つのサービス形態
ヘルプデスクのアウトソーシング方法は、実は3つのサービス形態が存在します。
比較的多くの企業で用いられている方法は常駐型で、特定の企業でしか取り扱いのない方法はリモート型やハイブリッド型となっています。
常駐型サービス(オンサイト型)
常駐型サービス(オンサイト型)とは、アウトソーシング企業のスタッフが自社のオフィスに常駐して業務を行うサービスです。たとえば、専門的な知識を有する要員を1名常駐させることや、問い合わせ内容集約に特化した要員を常駐させておくなど、柔軟な対応が可能です。
常駐型サービスのメリットは、以下のようなものがあります。
- アウトソーシング企業のスタッフと直接コミュニケーションが取れるため、迅速かつ柔軟に対応できる
- アウトソーシング企業のスタッフは専門的な知識や経験を持っているため、業務品質レベルが高い
リモート型サービス(BPO型)
リモート型サービス(BPO型)とは、アウトソーシング企業の管轄で業務を行うサービスです。リモート型サービスの場合は、社内にヘルプデスクを設ける必要がなくなるため、よりコア業務へ集中し、新ビジネスへ注力することが可能になります。
リモート型サービスのメリットは、以下のようなものがあります。
- アウトソーシング企業が業務プロセスやシステムを最適化してくれるため、業務効率化やコスト削減が実現する
- アウトソーシング企業がサポート教育を内部で実施するため、自社の人事負担が軽減される
ハイブリッド型
ハイブリッド型とは、常駐型サービスとリモート型サービスを組み合わせたサービスです。たとえば、お客様からの問い合わせ対応をリモート型で行い、現場でのトラブル対応を常駐型で行うなどです。
ハイブリッド型のメリットは、以下のようなものがあります。
- 常駐型サービスとリモート型サービスのそれぞれのメリットを活かすことができる
- 業務内容や規模に応じて柔軟にサービス形態を変更できる
- 常駐型サービスとリモート型サービスの連携により、より高度なソリューションが提供される
一般的なヘルプデスクアウトソーシングの費用相場
ヘルプデスクアウトソーシングの費用相場は、費用形態とサービス形態によって大きく異なります。検討する際には、自社のニーズや予算に合わせて最適なプランを選ぶことがとても重要です。複数のアウトソーシング会社に見積もりを依頼して比較することもおすすめです。
費用形態とサービス形態により相場は大きく異なる
ヘルプデスクアウトソーシングの費用は、主に以下の2つの要素によって大きく異なります。
- 費用形態:月額固定型か従量課金型か
- サービス形態:オンサイト型かオフサイト型かハイブリッド型か
以下の表は、費用の目安を表で表したものです。表から分かるように、一般的にオンサイト型よりもオフサイト型のほうが費用が高くなり、月額固定型よりも従量課金型のほうが費用が低くなります。
月額固定型/月 | 従量課金型/月 | |
オンサイト | 10万~ | 5万~ |
オフサイト | 25万~ | 10万~ |
ハイブリッド | 20万~ | 7万~ |
問い合わせ件数や対応時間などによって料金は変動します。問い合わせ件数が少なくても対応時間が長い場合や、問い合わせ内容の難易度が高い場合は、費用が高くなる傾向にあります。
ヘルプデスクのアウトソーシングは、コスト削減、業務効率化、ユーザー満足度の向上など、メリットは計り知れません。しかし、一方でリスクも潜んでいることは認識できていますか? この記事では、ヘルプデスクをアウトソーシングするメリット・デメ[…]
ヘルプデスクの主な種類
ヘルプデスクの主な種類として、社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクが挙げられます。どちらも問い合わせに対応するという点では同じですが、対応する相手が異なります。それぞれの特徴について紹介します。
社内ヘルプデスク
社内ヘルプデスクは、社内の従業員から寄せられるITに関する問い合わせに対応する業務で、情報システム部門などが社内ヘルプデスクを担当するケースが多いでしょう。パソコンやプリンターといった機器の使い方がわからない社員のサポートや、ネットワークやシステムにトラブルが起こったときの対応が主な役割になります。
社内の技術的な問い合わせに広く対応し、解決に導くのが社内ヘルプデスクの仕事です。
社外ヘルプデスク
社外ヘルプデスクの業務は、お客様からのITに関する問い合わせに電話で回答する業務です。システムの使い方や操作方法、時にはクレーム対応を行うことによって、顧客満足度の向上につなげます。
社外ヘルプデスクの多くはコールセンターとしての立ち位置で運用されます。例として、エンドユーザー向けヘルプデスクの業務にコールセンターが含まれるケースや、コールセンター業務がヘルプデスクと兼用で運営されるケースも存在します。
ヘルプデスクは外注費用がかかってもアウトソーシングすべきメリット
ヘルプデスクは外注費用がかかってでもアウトソーシングした方が、圧倒的にメリットが多いと言っても過言ではありません。アウトソーシングすることで、業務効率化、顧客満足度の向上、コスト削減、属人化の解消、コア業務へ専念できるようになるなど、メリットは計り知れません。
業務が効率化される
専門的な知識や技術を持つプロが、問い合わせの履歴や傾向を分析して効率化を行うため、業務が効率化されるとともに、品質も向上します。
ユーザー満足度が向上する
ほとんど全ての問い合わせ内容をマニュアル化するため、対応スピードが向上すると同時に、回答内容のバラつきがなくなります。また、ヘルプデスクをアウトソーシングする場合は、IT知識の豊富な専門部隊が対応するため、マニュアルにないシステムエラーについても迅速かつ正確な対応が可能で、このような安心感からユーザー満足度が向上します。
コスト削減できる
ヘルプデスクのアウトソーシングがコスト削減につながる要因としては、業務効率化と対応スピード向上にあります。ヘルプデスク業務は多岐にわたるスキルと知識が求められるため、一人前に育つまでには相当な時間と費用がかかりますが、アウトソーシングすることで、かかるはずだった時間と費用を節約できます。
属人化が解消される
担当者だけが業務の全貌を把握していることを属人化と呼びます。業務が属人化してしまうと、担当者不在時のトラブルに対応できず、全体の品質低下に繋がります。ヘルプデスクをアウトソーシングすることで、一人の担当者に依存せず、チーム全体でのノウハウ共有や体系的な業務プロセスの構築が可能になり、業務の安定性が高まります。
コア業務に専念できる
ヘルプデスク業務を外部に委託することで、本来取り組むべきコア業務に集中することができ、製品開発やマーケティング戦略の強化、新市場への展開など、企業が成長するための活動により多くの時間とリソースを割くことが可能になります。
ヘルプデスク外注費用の御見積はCMKにて承ります
ここまでヘルプデスクアウトソーシングについてご紹介しましたが、企業価値向上のためにもヘルプデスクはアウトソーシングし、それにより空いた工数はコア業務に注力することが、ヘルプデスク業務運営の最適解だといえます。
ノンコア業務をアウトソーシングすることで、潜在的なコア業務を顕在化させ、新たなサービスの創生へ繋げていきましょう。
専門要員の投入する常駐型サービスも丸ごと切出すリモート型サービスも柔軟に選べる
弊社のヘルプデスクアウトソーシングサービスでは、貴社のニーズに合わせて専門要員の投入からヘルプデスクの丸ごと切り出しまで、柔軟な選択肢をご用意しております。
専門的な分野や貴社が苦手な領域などに専門要員を常駐させることで、これまで着手できなかったポイントの業務効率化と品質向上を実現させることが可能です。
ヘルプデスク業務全体を一括して委託するリモート型サービスを利用することで、人材の採用・教育なども不要になり、業務プロセスの一貫性を保ちながらも属人化を解消することが可能です。
どちらの選択肢も、貴社の業務規模や目的、予算に応じてカスタマイズ可能なため、最適なサポート体制をご提案可能です。