属人化はなぜ起こるのか?5つのリスクと6つの解消方法をご紹介

担当者以外対応できなくなる業務の属人化。「すぐに対応が必要だけど、担当者がおらず仕事にならない」といった経験を持つ企業も少なくないと思います。特にITを始めとした専門業務で生じやすく、業務の遅れや品質の低下などを招きやすいことが問題になっています。

この記事では、属人化する理由や属人化を防ぐにはどうすれば良いのかについて解説します。業務の属人化を防ぐためには、属人化になる原因を知ることが大切です。原因を知って対処することで、属人化を防ぎ解消することができます。

昨今、日本企業ではIT人材の枯渇が問題になっています。御社でも情シスの人員が足りず困っているのではないでしょうか?情シスは、最も属人化してはいけない部署です。貴重なIT人材はコア業務に注力し、社内ヘルプデスク等はアウトソーシングすることをおすすめでします。

当社では、確かな情シス支援の実績がございます。全国対応可能となりますので、是非お気軽にご相談ください。

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属人化が起こる5つの要因

属人化が起こる原因には、様々な理由があります。自身の業務にあてはめながら、一度考えてみましょう。ここでは、よくある要因を5つに分けてご紹介します。

  • 人材不足なため代わりの人がいない
  • 業務が忙しく対策をとる暇がない
  • 情報共有が十分にできていない
  • 個人成果主義により技術が開示されない
  • 専門性が高く後続が育たない

詳しく見ていきましょう。

人材不足なため代わりの人がいない

属人化が起こる要因の一つ目は、代わりになる人材がいないことが挙げられます。技術不足で代わりになる人がいない場合もありますが、なにより人手が足りないことで要員を配置できないことが問題となっています。近年は労働人口の減少が問題視されており、単純に人手が足りない状態なのです。交代できる人がいないことで、属人化が進んでしまいます。

業務が忙しく対策をとる暇がない

二つ目の要因は、業務が忙しく属人化対策に手が回らないことです。日常業務が忙しいゆえに情報共有する時間を設けることができず、属人化している業務を洗い出すこともできません。業務以外にゆっくり考えて対策をとる暇がないと、ずるずると属人化が進んでしまうことになります。

情報共有が十分にできていない

三つ目の要因は、社内での情報共有ができていないことです。二つ目とも少し類似しますが、意識して業務の可視化や情報伝達できる環境は作らなければなりません。そうしなければ業務の状況は他者に伝わらず、属人化が進んでしまいます。

個人成果主義により技術が開示されない

四つ目の要因は、意図的に技術が開示されないことです。企業の評価が個人成果主義の場合は特に、技術の共有や継承を望まない人も一定数存在します。技術とは、その人の価値ともいえます。競争に勝つためにも技術が開示されず、属人化が進行してしまうことになります。

専門性が高く後続が育たない

五つ目の要因は、業務の専門性が高いことから起こります。業務の難易度・専門性が高い場合、後継者の育成に相当な時間がかかる場合があります。日本固有のモノづくり業界でもよく聞こえる話なのですが、後継者が育つまで代わりの人がおらず、属人化が進み続けます。

属人化に潜む5つのリスク

ここまでは属人化が起こる理由について解説してきました。ここからは、属人化が進行することで生じるリスクをご紹介します。業務全体が機能停止となる事態もありえるため、属人化は絶対に防がなければなりません。大きくは、以下5つに分けられます。

  • 業務内容がブラックボックス化する
  • ほかの人では対応できなくなる
  • 品質が不安定になる
  • 業務の負担が集中する
  • 技術継承が進まなくなる

リスクを理解することが、属人化排除に近づくことになります。わかりやすく解説していきます。

業務内容がブラックボックス化する

属人化に潜むリスク一つ目は、業務内容がブラックボックス化することです。属人化によって現在「何をしているか」が担当者にしかわからず、ほかの人は状況を把握できなくなります。進行状況が不明なことから全体のスケジュール調整もままならず、周りに迷惑をかけてしまうことになります。

また、業務中にミスやトラブルが生じても、他の人は気がつきくことができません。その結果、作業ミスがあとの工程に影響してしまい、取り返しの付かない状況になることもあります。

他の人では対応できなくなる

二つ目のリスクは、他の人では交代要員になれないことです。作業状況はもちろん技術すらも開示されていない場合、急遽交代せざるを得ない状況になっても同様の作業ができません。このような場合、他の人では作業ができず、担当者がいないと業務が回せなくなってしまいます。

担当者がインフルエンザで5日間休みになっただけで社内は大パニックに陥ります。ましてや複数の人や部門が関わる業務の場合は、企業全体で業務がストップする可能性すらあり、大きなリスクとなります。

品質が不安定になる

三つ目のリスクは、品質が不安定になることです。システム開発会社の場合、プロジェクト途中でキーメンバーが突然長期休暇を取ることになれば、その穴を埋められずプロジェクトの品質が急激に低下することもあります。

他にも、納期があるプロジェクトの場合は納期に間に合わず、企業間の信用問題にも発展するような大きなリスクが生じる可能性は否めません。

業務の負担が集中する

四つ目のリスクは、特定の担当者に業務負担が集中してしまうことです。他の人では対応ができず、すべての業務を担当一人がこなさなければなりません。自分が休むと業務がストップしてしまうため、気軽に休むことも難しくなり、心の負担も大きくなります。

また、業務内容が増えれば業務の停滞や生産性の低下が起きやすく、これを解消しようにも手出しができない状況になってしまいます。結果として、業務の遅れにつながってしまい、生産性やモチベーションが低下してしまうというリスクが生じます。

技術継承が進まなくなる

五つ目のリスクは、技術継承が進まなくなることです。技術を開示しないことで業務の引き継ぎが難しくなり、長年積み重ねてきたノウハウが失われてしまいます。

近年問題とされる人材不足の影響には、技術継承問題も含まれています。人手不足から技術継承ができず、伝統技術などが廃れてしまうことが心配されているのです。技術の承継が途絶えることで、倒産の危機に瀕してしまうリスクもゼロではありません。

属人化を解消するための6つのポイント

それではここから、最も重要である属人化を解消するためのポイントを見ていきましょう。いきなり全てを取り入れるのは難しいので、少しずつ自社に合った方法を取り入れていくのが最良です。6つの方法に分けてご紹介します。

  • 働き手を増員する
  • 管理システムを導入する
  • 情報共有ができる環境を整える
  • 業務を標準化させる
  • 業務を可視化させる
  • 業務責任を分散させる

属人化を防ぐためにも、まずは1つからでも取り組んでみてください。

働き手を増員する

まず一つ目の方法は、働き手を増やすことです。属人化となる原因は人手不足であることが大きな原因として挙げられるため、新たな人材を増やすことで属人化を解消できます。

ただ、昨今の人手不足によりなかなか採用に繋がらない場合は、人材の派遣を検討してみるのもひとつです。ノンコア業務を派遣人員に任せることで、自社社員は企業運営に必要となるコア業務に専念できます。

業務を標準化させる

二つ目の方法は、業務を標準化させることです。誰もが同じように作業できれば個性や技術差が出ることもなくなり、安定したクオリティで業務が進みます。

また、属人化を防止するためにはできるだけ業務内容自体も簡略化させることです。そうすれば「業務が難しくて標準化が進まない」といった心配もなくなります。

業務を可視化させる

三つ目の方法は、業務を可視化(見える化)させることです。「いつ誰が何をどのように対応しているのか」を明確にし、不明瞭な部分をなくしておきましょう。常日頃可視化を意識することで、急な対応が必要になった場合でも、業務が滞ることを回避ことができます。

このように可視化対応するためには、業務フローをマニュアル化しておく必要があります。手順やルールが誰からも見てわかるようになり、業務の流れが追いやすくなります。

情報共有ができる環境を整える

四つ目の方法は、情報共有ができる環境を整えることです。フリーアドレスやテレワークが導入されて便利な一方で、情報共有できる場が減ってしまい業務に支障が出ているといった話も耳にします。そのような場合は、意識して情報共有できる場を設ける必要があります。

主な方法としては、毎日・週次等で報告書を作成する、または業務内容共有のために30分のショートミーティングを週2日ほど行う等が取り組みやすい方法です。

管理システムを導入する

五つ目の方法は、管理システムを導入することです。費用もかかるので少しハードルが高い面もあるのですが、システムで全体の流れを管理することで、業務全体を可視化し属人化を防ぐことができます。

管理システムを利用すれば、業務の一元管理も可能になり、リアルタイムでの情報共有に加え、他の部門とも簡単に連携できるため、全体的な効率が向上します。

属人化解消だけでなく、全体の流れからボトルネックを把握したり、進捗に合わせてスケジュールを変更したりなど、システムを導入することで業務改善も可能になります。

権限を分散させる

六つ目の方法は、業務における権限を分散することです。属人化する原因は、特定の人物に業務や権限が集中するからであり、業務を分け権限を分散させることで属人化を防ぐことができます。

また、権限が集中することで、不正が起きるリスクも高くなります。業務を分散すれば、担当者一人一人の業務負担も軽減され、不正リスクも減少します。金銭が絡む契約などについては特に、責任範囲をきちんと決めておき一人で全てが完結することがないように取り決めておきましょう。

属人化を排除すべき業務

属人化は「再現性が必要な業務」こそ防がなければなりません。業務の管理はもちろん、安定した製品やサービスを提供するためには、業務の再現性は必要なものなのです。では、再現性が必要な業務とはどのような業務を指すのでしょうか?以下のような業務が挙げられます。

経理や事務などのバックオフィス業務

経理や事務などは、特に再現性が必要な業務です。バックオフィス業務は正確性が必要な業務であり、担当者によってやり方が変わってしまうと、正確性が損なわれてしまいます。

過去の情報と比較できるようにするためにも、管理方法を統一させ、誰が見てもわかるようにする必要があります。

カスタマーサポート業務

カスタマーサポートは顧客に向けたサポートのため、担当者によって説明が変わってしまうことは企業の信頼を損ねる問題に発展しかねません。説明した内容が異なることからトラブルを招く可能性も高く、誰が案内しても同じ内容になるよう統一する必要があります。

カスタマーサポートも含め顧客と接する業務は、すべて属人化を排除すべき業務といえます。

情シス業務

情シスもまた、属人化を防ぐべき業務です。

まず一つ目に社内向けのヘルプデスク業務があります。複数の従業員に異なる案内をしてしまうと、社内が混乱し、最悪の場合大きなシステムトラブルに発展することも想定されます。顧客向けと同じように、社内向けにも案内は必ず統一しておかなければなりません。

また二つ目に、担当者毎に技術レベルの差が大きい場合に起こる問題があります。担当者の技量によっては、トラブルへの対処が遅くなってしまうことがあります。社内ネットワークが繋がらなくなった時に「作業できる人がいないので後ほど対応します」では、他社員の仕事が進みません。

情シスには、セキュリティを強化し自社データを悪意ある第三者から守ったり、業務全体をシステムによって管理したりなど、たくさんの業務があります。常に最新の状態で企業を支え続けるためにも、IT人材の育成に力を入れ、属人化を防ぐ必要があるのです。

バックオフィス業務や情シスの属人化はBPOレンジャーで解消可能

情シス支援サービスBPOレンジャーアイキャッチ2

企業にとって、属人化は排除すべき大きな問題です。分かってはいるけれど時間がなくて・・・と後回しにしてしまい、問題が起きてから対処を考える企業様が多いのも事実です。

属人化について意識が高まっている今、是非、BPOレンジャーの活用をご検討ください
正式名称「情シス支援サービスBPOレンジャー」とは、お客様の課題を総合的に解決するサービスです。

ITサポートやヘルプデスクなどの業務はBPOレンジャーに任せて、情シス部門のメンバーは本来の業務に専念します。そうすることで組織全体の効率と生産性を高め、属人化排除に繋がっていくでしょう。

定型業務であればどのような業務でもお引き受けが可能なため、経理などのバックオフィス業務についても広範囲に対応可能です。

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まとめ

属人化が起こる原因とリスク、解消法について詳しく解説してきました。

属人化問題まとめ
  • 属人化が起こる5つの要因
    • 人材不足なため代わりの人がいない
    • 業務が忙しく対策をとる暇がない
    • 情報共有が十分にできていない
    • 個人成果主義により技術が開示されない
    • 専門性が高く後続が育たない
  • 属人化に潜む5つのリスク
    • 業務内容が不明瞭となる
    • 他の人では対応できなくなる
    • 品質が不安定になる
    • 業務の負担が集中する
    • 技術継承が進まなくなる
  • 属人化を解消するための6つのポイント
    • 働き手を増員する
    • 業務を標準化させる
    • 業務を可視化させる
    • 情報共有ができる環境を整える
    • 管理システムを導入する
    • 権限を分散させる

取り組めるところから、少しずつ取り組み、属人化を排除していきましょう。

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