【実は脳に問題が?】ペーパーレスはなぜ頭に入らないのか|脳科学から見た理由を解説

皆さんのオフィスではどれくらいペーパーレス化が進んでいますか?

ペーパーレス化のメリットは環境負荷の軽減だけでなく、業務効率化やコスト削減にも寄与するとされています。新型コロナウィルスの影響によりテレワークが普及した昨今、ペーパーレス化がさらに進み、業務がWEB上だけで完結するようになりました。これにより、場所にとらわれない働き方が可能となったのです。

このようにメリットの多いペーパーレス化ですが「ペーパーレスだと頭に入らない」という声もチラホラ聞こえてきます。

本記事では、その疑問を脳科学の視点から解明し、さらに具体的な解決策も解説します。

ペーパーレス化が推進される背景

今や社内の文書、会議資料、お客様への提案資料など、ビジネスのあらゆる側面で電子化が進み、パソコンやタブレットで瞬時に資料が閲覧・共有されています。

ビジネスだけでなく、プライベートでも電子書籍が隆盛を迎えています。漫画や小説などの電子書籍は、重たい本を持ち運ぶ必要がなるなどその利便性が幅広い読者層に受け入れられ、売上は右肩上がりに増えています。

しかし、このペーパーレス化の波は一体いつから始まったのでしょうか?
その根源をたどると、1980年代のコンピューターを用いたデータ管理の便利さと、1990年代以降のサステナビリティへの意識の高まりに行き当たります。この2つの要素が組み合わさり、ペーパーレス化を推進する大きな流れが生まれたのです。

ペーパーレス化は環境問題だけでなく、業務効率化や生産性向上という”ビジネスの観点”からも推進されるようになりました。

脳科学から見たペーパーレスが頭に入らない理由

さて、ここで気になる疑問が一つ。

「なぜ電子の資料は頭に入らないのか」ということです。

この疑問を解消するために、人間の脳の学習方法という観点から見ていきましょう。脳は情報を視覚、聴覚、触覚などの様々な経路で処理します。一方、一つの経路のみで情報を取り込むと、記憶がその経路に偏ります。

例えば、テキストを読むとき、私たちは主に視覚的な経路に頼って記憶を形成します。しかし、上の文章でお伝えした通り、情報を読み、聞き、書き、話すなどの多角的な方法で取り組むことが、記憶の定着を助け、より強固な記憶を構築することに繋がると研究によって明らかになっています。

紙ベースの資料では、紙の形状や質感、重さを直接感じ、ページをめくることで進行感を得られます。これは読み進める過程での進捗を視覚的に把握する手段となり、理解の深まりや達成感を感じる助けとなります。このように紙ベースの情報では、より多くの神経回路が活動し多角的な情報処理が可能になります。このことから、紙の資料は頭に入りやすいのです。

しかし、ペーパーレス化、つまり情報がデジタル化されることで、その情報の取り込み方が変化します。
デジタル情報は、主に視覚情報として脳に入ります。
触覚やその他の感覚を伴わないことから、情報の取り込みは1つの経路からしか入ってこず、記憶形が定着しにくいのです。これがデジタル情報が「頭に入りにくい」と感じる理由の一つとされています。

ペーパーレスでも情報を頭に入れる方法

科学的な視点から見ると、ペーパーレスなデジタル情報の吸収は一筋縄ではいきません。しかし、ペーパーレスに合った方法で学習すれば、自然と記憶が定着していきます。

デジタルツール機能を使って情報を整理する

デジタルツールに搭載される豊富な機能を使って情報を色分けしたり、重要なポイントをハイライトにしたりすることで、視覚的な強調が可能になります。この方法は紙媒体での読書に近い感覚になり、記憶が定着しやすくなります。

情報を音声で聞く

次に、情報を音声化して聞くことも有効です。最近は音声読み上げ機能を無料で使えるので、視覚以外の感覚も利用し理解を深めていくことができます。

繰り返し読む

デジタル資料は、場所や時間を選ばずにいつでもどこでも手軽に読めることがメリットなので、このメリットを有効活用し、ふとした時に繰り返し読むことで、記憶に定着しやすくなります。

このような方法を活用し意識することで、ペーパーレス時代でも情報が頭にしっかりと定着し、記憶する効率も大幅に向上します。

まとめ

この記事は、ペーパーレス化の推進背景から、ペーパーレスが頭に入りにくい理由についてまとめました。

まとめ
  1. ペーパーレス化は環境負荷の軽減、業務効率化、コスト削減に寄与し、場所に縛られない働き方を可能に。
  2. 一部では「ペーパーレスだと頭に入らない」と感じることがある。これは脳が情報を複数の経路で処理する特性に起因。
  3. 紙ベースの情報は、視覚、触覚等の多角的な経路で情報を処理するが、デジタルベースの情報は主に視覚情報として脳に入るため、記憶が定着しにくくなることがある。
  4. デジタルツールの機能を活用し、情報を色分けしたり音声化したり、繰り返し読んだりすることで、記憶が定着しやすくなる。

ペーパーレス化の波は今後も止まらないでしょう。
その中で我々は、デジタル情報をうまく処理し、そのメリットを最大限に活用していくことが望まれます。

ペーパーレスだと頭に入らない!と感じる方は、是非上記方法を試してみてください。

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