OfficeソフトといえばExcelやWordが広く知られていますが、同じMicrosoft Office製品群に含まれる「Access」については、名前を聞いたことがあっても詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、Accessの基本から具体的な機能、メリット、そして利用時に注意すべき点までわかりやすく解説します。データ管理の効率化を検討している方や、Accessの導入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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MicrosoftのAccessとは?
Accessは、Microsoftが提供する「データベース管理システム」です。Microsoft Office製品群のひとつとして位置づけられており、WordやExcelと同様に多くの企業で利用されています。
まずは、Accessの基本やデータベースの概要、Excelとの違いについて順番に見ていきましょう。
Accessの基本
Accessは1992年に初めてリリースされ、以降多くのバージョンアップを重ねてきました。リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)として設計されており、複数のテーブル間で関連性を持たせながらデータを効率的に管理できます。
Accessの特徴は、初心者でも簡単に扱える直感的な操作感をもちながらも、本格的なデータベース機能を提供していることです。データの入力や編集から検索、分析、レポート作成まで、データ管理に必要な作業をワンストップで行えます。
Accessのデータベースとは?
Accessでは、データベースファイルの中に「テーブル・クエリ・フォーム・レポート」などの様々なオブジェクトが含まれています。これらのオブジェクトが連携することで、データの保存や処理、表示などの機能を実現しています。
データベースの核となるのは「テーブル」で、ここにデータが行と列の形式で保存されます。
Excelとの違い
AccessとExcelはどちらもOffice製品の一部でありデータを扱うツールですが、目的や機能にはそれぞれ違いがあります。
Excelは「表計算ソフト」であり、計算式や関数を使った数値計算、グラフ作成に優れています。
一方、Accessは「データベースソフト」であり、大量のデータを効率的に管理し、複数のテーブル間の関連付けや複雑な検索、集計に強みがあります。
業務内容に応じて、AccessとExcelの両方を上手に使い分けることが重要です。
MicrosoftのAccessを使うメリット
データベースツールであるAccessには、多くのメリットがあります。ここからは、とくに重要と考えられる5つのメリットについて解説します。
データを一元管理できる
Accessを使う最も大きなメリットのひとつは、複数のデータを関連付けて一元管理できることです。
例として、顧客情報や商品情報、注文履歴などのデータを別々のテーブルで管理しながらも、必要に応じて連携させて情報を取り出せます。
こうしたAccessの機能により、データの重複を避けつつ整合性を保った効率的な管理が可能になります。
見やすい帳票を作れる
Accessには、レポートを設計する機能が備わっています。このレポート機能を活用すると、データベース内のデータを見やすく整形した帳票を簡単に作成できます。
それだけでなく、印刷用のレイアウトを自由にデザインでき、グループ化や集計などの機能も備わっています。
Accessを使いこなすことで、請求書や注文書、月次報告書など業務で必要な各種帳票のクオリティ向上につながります。
効率的に集計や分析ができる
Accessのクエリ機能を使うことで、複数のテーブルからデータを抽出し、条件による絞り込みや並べ替え、集計などを行えます。
専門的なSQL(データベースを操作するための言語)の知識がなくても、Accessであれば直感的な操作で複雑な検索条件を設定できるため、データの分析作業の効率化が可能です。
Excelや他システムと連携できる
AccessはMicrosoft Office製品の一部であるため、ExcelやWord、OutlookなどのOfficeアプリケーションとのデータ連携がスムーズです。
具体的には、Accessのデータを元にExcelでグラフを作成したりWordで差し込み印刷を行ったりできます。
また、AccessとSQLサーバーなどを適切に連携することで、複数のシステム間でのデータ活用もできるようになります。
複数人で運用できる
ネットワーク上でAccessのデータベースを共有することで、複数のユーザーが同時に利用できます。
ユーザーごとにアクセス権限を設定することも可能なため、小規模組織や部門内での情報共有ツールとしてAccessを活用するのもよいでしょう。
MicrosoftのAccessの主な基本機能4つ
Accessを使いこなすためには、基本となる4つの主要オブジェクトである「テーブル・クエリ・フォーム・レポート」について理解することが重要です。
あわせて、VBAやマクロの活用も可能である点についても確認していきましょう。
①テーブル
Accessの「テーブル」はデータベースの基盤となるオブジェクトで、実際にデータを格納する場所です。行(レコード)と列(フィールド)の形式でデータを管理します。各フィールドにはテキストや数値、日付など適切なデータ型を設定できます。
また、主キーの設定やインデックスの作成、入力規則の設定なども可能で、データの整合性を保つための機能も備えています。
②クエリ
Access「クエリ」は、テーブルからデータを抽出したり加工したりするためのオブジェクトです。検索条件による取り出しやテーブルの結合、計算フィールドの作成、データの並べ替えなどの処理が行えます。
クエリの結果は表形式で表示され、新たなテーブルとして保存することも可能です。また、データの更新や削除を行うアクションクエリも作成できます。
③フォーム
Accessの「フォーム」は、データ入力や閲覧を行うための画面を提供するオブジェクトです。テーブルやクエリのデータを見やすく表示したり、効率的にデータを入力したりするためのインターフェースを作成できます。
ボタンやリストボックスなどを配置して、Accessの操作になれていないユーザーでも直感的に操作できる画面を設計することが可能です。
④レポート
Accessの「レポート」は、作成したデータを印刷向けに整形して出力するためのオブジェクトです。テーブルやクエリのデータを元に、見出しやフッター、ページ番号などを含む帳票を簡単に作成できます。
VBAやマクロの活用も可能
「テーブル・クエリ・フォーム・レポート」の4つの基本機能に加えて、AccessではVBAやマクロを使用して、より高度な処理を実施できます。
VBAやマクロを活用することで、複雑な計算処理や条件分岐、他のアプリケーションとの連携などを自動化できます。
こうしたプログラミングの知識がある場合は、業務に合わせてカスタマイズしたデータベースアプリケーションを構築するのもよいでしょう。
MicrosoftのAccessの注意点
Accessは便利なデータベース管理システムですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。
安全にAccessを活用するためにも、知っておきたい3つの注意点を見てきましょう。
古いバージョンのサポート期間
Microsoft社のポリシーにより、古いバージョンのAccessは一定期間経過後にサポートが終了します。サポート終了後は、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなりセキュリティリスクが高まるため、そのまま使い続けるのは危険です。
長期的なAccessの運用を考えている場合は、定期的なバージョンアップが必要になることを覚えておきましょう。
データベースの容量が少ない
Accessで扱えるデータベースには制限があり、標準で2GBまでとなっています。大量のデータを扱う場合や、添付ファイルなどを多数保存する場合には容量不足になる可能性があります。
大規模なデータを扱う場合は、SQLサーバーとの連携やデータ分割などの対策が必要です。
業務が属人化する可能性がある
Accessでデータベースを構築する場合、設計や開発の知識が個人に依存してしまう「属人化」のリスクがあります。担当者の異動や退職により、Accessの修正や管理が困難になる可能性があります。
こうしたリスクを避けるためには、設計書やマニュアルの整備、複数人での運用などの対策が重要です。
当社は設立から40年分のITノウハウを蓄積しており、Accessを含むMicrosoft Office製品の最適化に関する支援実績があります。Accessの導入や運用でお困りの方は、ぜひ当社へご相談ください。
まとめ
Accessは、プログラミングの専門知識がなくても使える便利なデータベース管理システムです。Excelとの違いを理解し、それぞれのツールの特性を活かして使い分けることで、業務の効率化が図れるでしょう。
一方で、データベースの容量制限やバージョンごとサポート期間設定、属人化のリスクなどもあるため注意が必要です。
Accessの特徴を理解し適切に活用することで、データ管理の効率化や業務プロセスの改善に役立てましょう。