webMethodsとは?求められる背景や導入メリット、事例を紹介

近年、多くの企業でSaaSの利用が増え、複数のSaaSを併用することも珍しくなくなりました。しかし、導入数の増加に伴い、システム管理が複雑化し、最適なデータ連携やシステム連携へのニーズが高まっています。そこで注目されているのが「webMethods」です。

本記事では、webMethodsが求められる背景や特徴、導入メリットを、事例とともに解説します。

webMethodsとは?

webMethodsとは、IBM社が提供する統合プラットフォーム(Hybrid iPaaS)です。異なる環境にあるシステム間のデータ交換やアプリ連携を円滑に行い、業務プロセス全体の効率化を支援します。正式名称は、webMethods Hybrid Integrationとなります。

概要

webMethodsは企業内のアプリケーション、データベース、SaaS等をスムーズにつなぐ統合基盤です。API管理やB2B連携、マネージドファイル転送、システム間のデータ連携や処理フローを設計、監視するワークフロー管理まで幅広くカバーしており、企業の統合ニーズを包括的に支援します。
また、ノーコード/ローコードによる設計/開発に対応しており、ビジネス部門でもデータフロー構築に関与できます。これにより、複雑なアプリケーション間のシームレスな統合や設計、webMethodsで設計、管理されるシステム間のワークフローの自動化、AI活用等のプロセス改善を促進できます。

特徴

webMethodsの特徴は、複雑なデータフローを直感的に構築できる点にあります。従来は、連携ごとに異なる要件を設定しなおす必要があり、データフローの設計は複雑化しがちでした。しかし、webMethodsは200種類以上もの接続コネクターやプリセットされた連携モデル(レシピ群)があらかじめ用意されており、クラウドやオンプレミスを含む、多様な環境やシステム間の複雑なデータフローを迅速に設計できます。その結果、個別連携の標準化が進み、開発工数や運用負荷を大幅に削減できます。

webMethodsが求められる背景

レガシーシステムや複数のSaaSが混在する環境は珍しくありません。アプリケーションやデータが部門ごとに点在し、それらの連携作業は手作業で行うため属人化しやすいことが課題です。設計や開発にも多くの時間と労力がかかるため、複雑なデータ連携を効率化し、統合的に管理できる基盤としてwebMethodsが求められています。

業務を迅速化、自動化するための「連携」のニーズが拡大している

オンプレミスやクラウドに点在するさまざまなデータやアプリ、API等の管理はそれらが増えれば増えるほど、作業はより複雑化します。しかし、システム間のデータ受け渡しや連携は、互換性や柔軟性の面で難しく業務が分断してしまいます。

そこで、再利用性の高いAPIとイベントを連携することで、データ連携やプロセスを自動化してビジネススピードを加速させていく必要があります。

必要なデータがオンプレミス・クラウドなどに散在している

従来のシステムでは、部門ごとでアプリやAPIを管理していた結果、同じデータを複数部署で保管していたり、更新のタイミングが部署ごとに異なっていたりといった非効率が生じることがあります。このような状況では、部門横断でリアルタイムな情報共有が難しく、業務最適化が困難です。
アプリ、API、イベント、B2B/EDI、ファイル等を一括管理し、リアルタイム連携を実現できれば、現場や物流の状況を即座に把握できるようになり、例えば、製造現場の自動化や物流の最適化、トレーサビリティの確保が可能になります。

従来のレガシーシステムでは、例えば、データ更新がバッチ処理でまとめて行われるため、最新情報が反映されず、リアルタイムのデータ確認ができませんでした。しかし、リアルタイム連携が可能になることで、あらゆる面での生産性向上が実現します。

システム間の連携のたびに手作業で設計・設定が必要になった

既存システムの拡張や新規システムの導入時には、システムごとの連携プログラムの設計/設定が必要なため、開発やテストにかかる工数が多く、多大な時間と労力が必要です。また、手作業が多いため属人化する傾向にあります。

ツールを無計画に増やしてしまった場合、互換性不足でAPI連携が困難になり、システム間の統合フローが複雑化してしまいます。このように、従来のデータ連携方法では、特定の担当者やベンダー依存の個別連携プログラムが乱立しやすくなります。

webMethodsの導入で得られるメリット

webMethodsを導入することで、連携に関わるさまざまな課題を解決できます。主なメリットは以下の4つです。

オンプレミス環境とクラウド環境の連携が可能

webMethodsはオンプレミス環境とクラウド環境の連携を一元的に管理できる統合プラットフォームです。これにより、社内に分散するシステムやクラウドサービスをまとめて管理でき、データ連携の流れやAPIの実行状況を総合的に監視できます。

また、連携状況やシステムの状態を単一画面で可視化でき、各環境間のデータフローや連携状態を集中的に管理できるようになります。

さらに、社内の各種システムやツールとも連携することで、オンプレミスからクラウドまでの連携フロー全体を可視化でき、システムの監視作業や障害対応の手間等、運用管理の負担を大幅に削減できます。

システム連携の実行状況を管理(モニタリング)が可能

クラウド/オンプレミス間等、”連携対象として接続した”API、メッセージ、イベントの実行状況を単一の制御プレーンで可視化・管理できるようになります。あらゆる製品にまたがるランタイムとゲートウェイを可視化できるため、どこで何が行われているかを単一画面ですぐに把握できます。

これにより、各部門やプロジェクト単位で乱立していたAPIやアプリを標準化して再利用ができるようになり、運用リスクの低減にもつながりやすくなります。

AIサポートによる連携フローの作成が可能

AIエージェント(エージェント型AI)によって連携フローやAPI連携設計を自動生成し、設定作業を大幅に効率化します。従来は手作業で行っていた連携ロジックの構築を支援することで開発負荷を軽減し、社内システムと複数クラウドの統合を迅速に進められます。

作成したフローを別業務で再利用可能

APIやイベントをブロックのように組み立てることで再構成が可能です。これにより、すでに設計した統合ロジックやフローを別業務でも再利用できるようになり、開発時間を短縮でき、さまざまな事業ニーズにも素早く対応できます。

ノーコード/ローコード開発と再利用の機能を活用すれば、ビジネス部門の担当者でも業務フローを設計できます。また、同時に、エンジニアが統合ロジックを別レイヤーで設計することも可能です。こうすることで、既存システムを活かしながら業務プロセス定義層とシステム連携層を分離して処理フローを設計でき、より効率的な業務連携が実現します。

webMethodsの活用例

webMethodsの活用は多種多様な業界に広がっています。
例えば、土木設備や鉱業向け機器の製造、販売を手掛ける世界的企業A社では、旧式のERPシステムでデータのリアルタイム連携ができないという課題を抱えていました。

そこで同社は簡単にデプロイできる統合プラットフォーム(Hybrid iPaaS)としてwebMethodsを採用し、主要システム間のデータ統合を実施しました。それにより開発時間を30%短縮し、単一ファイルソースの統合に要する時間も5日から1日へ短縮しました。

適切なデータに適切なタイミングでアクセスが可能となり、バックエンドの信用調査やERP注文履歴等を集約してリアルタイムで可視化できるようになりました。その結果、サプライヤーや顧客との迅速で信頼性の高いシームレスな顧客体験と業務効率向上を実現しました。

まとめ

webMethodsはIBMが提供する統合プラットフォーム(Hybrid iPaaS)で、企業内外のシステム連携やデータ統合を効率化するソリューションです。ノーコード/ローコードでの開発が可能で、200以上のコネクターにより複雑なデータフローも容易に構築できます。オンプレミスとクラウドに分散したデータやAPIを統合管理し、単一画面で実行状況をモニタリングすることも可能です。

AIの連携フロー生成支援やフロー再利用機能により、手作業によるデータ連携や設計/開発、障害対応等の運用管理にかかる担当者の作業負担の軽減と、業務全体の生産性向上が期待できます。

近年、SaaSの乱立やデータのサイロ化、部門間の業務分断など、システム連携をめぐる課題は多くの企業で共通しています。
こうした背景を踏まえ、なぜ業務が複雑化するのか、その本質と全体最適化に向けた考え方を整理した解説資料を公開しています。システム部門の検討に役立つよう、iPaaSの活用ポイントもあわせてまとめています。
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