ひとり情シスが退職?!リスクや課題を把握して離職前に対策

情シス(情報システム部門)は企業の中で果たす役割が大きく、やりがいのある部門です。しかし、業務範囲が広く、あまりの大変さに退職してしまう人が多いのも事実です。特に、部門として組織されておらず、ひとり情シスとして稼働しているケースではその傾向が強くなります。

この記事では、最近話題になっている”ひとり情シス”に注目し、ひとり情シスはなぜ退職を考えるのか、ひとり情シスが退職した場合のリスクについて解説していきます。その上で、退職を防ぐためにできることもご紹介しますので、退職を決断される前にできる対策を進めていきましょう

ひとり情シスの怖い話

ひとり情シス担当者が退職を考える理由4選

ひとり情シスの担当者は、文字通り一人で大量の業務をこなさなければなりません。そのひとつひとつの業務が大きな負担となり、退職を考え始めるのです。具体的に、退職を考えるようになる理由を解説していきます。

業務量が多すぎて負担が重い

シンプルに業務量が多すぎるというのは、ひとり情シスが抱える代表的な悩みのひとつです。情シスは、社内のITインフラの管理やシステムの改修、セキュリティー対策など、多岐にわたる業務をこなしています。

平常時でも忙しいのですが、なにかシステムトラブルが発生すると、すべての負荷が情シスにかかってしまいます。やるべき業務が終わらないなかでの緊急のトラブル対応は、精神的にも体力的にも負担が大きいものです。このような状態が度々発生することが、退職を考え始めてしまう理由のひとつです。

ストレスが蓄積し、業務に支障をきたす

業務量の多さにより、定時内で業務を終わらせることができず残業が続いてしまうと、気づかぬうちにストレスが蓄積していきます。普段から残業しがちなひとり情シスにも関わらず、バグやトラブルが発生してしまうと、従業員からの問い合わせや要請が相次ぎます。

早急に問題を解決しなければというプレッシャーもあり、さらにストレスが蓄積しやすい状況に置かれてしまいます。次第に精神的にも追い詰められて、余計に業務が回らなくなってしまうのです。

スキル不足が原因で業務が進まない

ひとり情シスとして効率よく稼働するためには、専門的な技術と経験が非常に重要です。スキルが高ければスピーディーに仕事を終えられるのですが、スキル不足だとそうもいきません。同じ仕事でも時間がかかりますし、細かなミスがおこる可能性も高くなります。

従業員からの問い合わせ対応にも、知識が豊富であればすぐに回答できるものの、スキル不足により回答までに時間がかかってしまうことがあります。かと言って、忙しいひとり情シスには勉強する時間を確保することもできず業務が滞ってしまいがちになることも、退職を考える原因になります。

相談相手がおらず孤立感を感じる

ひとり情シスが大変だと言われる最大の理由は、周りに相談相手がいないことです。技術的なことで確認したいことがあっても誰も助けてくれないので、すべて自分で解決しないといけません。また、チームとして共に励まし合う仲間もいないので、ちょっとした悩みや愚痴を聞いてくれる人がいないこともストレスが蓄積しやすい環境を作っています。

孤独感は仕事に対する意欲を失わせる原因となり、ストレスをため込む結果となってしまいます。こうした心理的な要因も、退職という結論に至ってしまう大きな原因となるのです。

ひとり情シス退職決定後のリスクや課題

さまざまな事情があってひとり情シス担当者が退職することは、本人の決定なので止めようがありません。しかし、会社としてはたった一人の情シス担当者が辞めてしまうと、大きな影響を被ることになります。そのリスクを事前に考えておくことで、ひとり情シスへの対応を考えるきっかけになるでしょう。

情シス不在は経営リスクへとつながる

情シスは、現代の企業経営において非常に重要な役割を果たしています。今や企業経営においてITは切っても切り離せないものとなっており、従業員が安定して業務ができるのも、情シス担当者が日々運用を頑張っているからに他なりません。

日頃当たり前に使用しているシステムも、面倒を見る情シスが不在になると、トラブルが発生したときに誰も対応ができずにパニックに陥ります。最悪の場合は社内外のシステムがストップしてしまい、取引先企業や顧客に迷惑をかけてしまい、信頼を失ってしまう可能性もあります。

誰も業務が分からずブラックボックス化する

ひとり情シスの場合、退職前の引き継ぎがうまくいかないと後々がとても大変です。ひとり情シスはほぼひとりで業務を行っているため、業務の属人化が進みます

特にプログラムの内容やシステム構築の詳細、使用していた機材などが分からない場合はブラックボックス化してしまい、誰も手を付けられなくなる恐れがあります。それだけに、後から担当者が入っても管理を上手に引き継いだり、システムを修正したりすることが困難になります。

業務範囲が広すぎてなかなか適任が見つからない

これまでお話したとおり、ひとり情シスが担当する業務の幅は相当に広いものです。それほどの範囲をいきなり担当できる高スキルなIT技術者というのは、採用したくてもなかなか採用することができません

というのも、最近はIT技術者が不足しており、求人をかけても応募がこないことも多いのです。結局、後任を見つけられず情シスに穴が開くことを懸念して、少しITに詳しいだけの従業員に白羽の矢が立ってしまうのです。

トラブル発生時に対応できず従業員の業務が滞る

ごく短期間であれば、情シスがいなくてもなんとなく業務は回るかもしれません。しかし、毎日のように利用しているネットワークや基幹システムにトラブルが生じると大変です。PCを立ち上げてもネットワークに繋がらず、取引先とのメールの送受信すらできなくなってしまいます。

取引内容をシステムに入力しようにもアクセスすらできず、多くの従業員の業務が滞ってしまい、大問題へと発展しかねません。

ひとり情シスが退職を考える前にするべき対策

こうした事態に陥らないためにも、ひとり情シスの退職を防ぐために、事前に対策を講じるべきです。具体的にどんなことができるのか、考えてみましょう。

人員を増やす

やはり、ひとり情シスの人員を増やすことが第一の選択です。対応できる担当者を増やすことで、ほとんどの問題を解決できます。人件費の問題で増員が難しい場合は、前述したリスクを経営層に認識してもらい、まずは増員ができないかというところから検討を進めましょう。

企業全体のITリテラシー向上

ひとり情シスに負担がかかる原因は、周りの理解不足も大きいのです。そのため、従業員ひとりひとりのITリテラシーに向け、研修や勉強会を開催することも対策のひとつです。勉強会の開催により、小さな問題を各自で解決できるようになり、情シスに回ってくる仕事が減少します。さらに、直接従業員と顔を合わせることで、情シスに対する理解も深まっていきます。

業務効率化ツールを導入する

最近ではさまざまなITツールが登場していますので、業務効率化のために導入を検討しましょう。コミュニケーションツールやペーパーレス化ツールなどを導入することで、ひとり情シスの業務が幾分軽減される可能性があります。ほかには、RPAを使った業務の自動化も業務負担軽減におすすめです。

チャットボットを導入する

ひとり情シスにチャットボットを導入することで、ヘルプデスクなどの問い合わせ対応の負担が軽減されます。従業員からの問い合わせに対して、事前に設定した回答が自動でなされるため、問い合わせた側の従業員にとっても早期に問題解決ができて双方にメリットがあります。問い合わせ対応で忙殺されている場合は、早期導入をおすすめします。

雑務ひとつひとつも評価する環境をつくる

ひとり情シスの業務は雑務が多いにもかかわらず、その雑務は評価対象にはいらないことが多いです。雑務についても、より正しく評価する環境が大事です。きちんと評価することで、仕事に対してのやりがいと喜びを与え、離職を防止することに役立つのです。情シスは細かな仕事が非常に多いため、そうしたいわゆる雑務もきちんと評価する、評価システム自体を改変していく必要があります。

ITアウトソーシングを活用する

情シス業務の一部を切り出してアウトソーシングを活用することも、ひとり情シスの負担軽減に大きく役立ちます。切り出す業務内容によっては業務量が大幅に削減され、これまではできなかったスキル習得のための勉強も可能になります。アウトソーシングを活用することで業務が属人化せず、担当者変更もスムーズに進みます。業務負担軽減により離職防止になると共に、リスク対策にもつながるので、ぜひ検討したい方法です。

人気記事情シスはアウトソーシングすべき?外部委託できる業務や対応範囲について解説

ひとり情シスの退職が決まったらやるべきこと

できれば考えたくありませんが、ひとり情シス担当者の退職が決まった場合は、早急に対策を打つ必要があります。短期間にやるべきことは多いのですが、より具体的な内容を解説していきます。

大至急後任を確保する

ここはまず第一に取り組むべきことです。退職までの間に引継ぎを済ませるため、大至急後任を確保しましょう。他部門の要員を移動させることが可能であれば良いのですが、それも難しい場合は採用を進めるしかありません。しかし、先述の通りIT技術者が不足している昨今、ITに精通した人材の確保が難しい可能性も高いです。

そのような場合は、アウトソーシングを活用することも視野にいれましょう。一部業務を切り出すだけでなく、人材を派遣してくれる企業もあります。ITアウトソーシング企業に相談をしてみましょう。

マニュアルやFAQの整備

退職までの期間、できるだけシステム操作マニュアルの整備、過去の問い合わせ対応時のFAQ整備に時間を費やしましょう。万が一後任が間に合わない場合も、マニュアルやFAQを公開することで従業員が各々で問題解決が可能です。この期間に自分自身で問題解決をするクセをつけることで、後任の情シス担当者の負担を軽くする狙いもあります。

ナレッジベースを構築する

ナレッジベースとは、情シスが日々行うべき業務に関する知見や業務フローをまとめることです。ナレッジベースを構築することで、今後人員が増減した場合もスムーズに引継ぎが可能になります。上記でご紹介したマニュアルやFAQは従業員向けのもので、ナレッジベースは情シス担当者向けのものと認識しておきましょう。

ひとり情シスの対策にはアウトソーシングを活用しよう

ここまでお話してきたように、社内のIT対応をひとり情シスのみ行っている企業は、危機感をもたなければなりません。目の前にある業務をこなすことに精一杯で、企業運営に関わる需要なIT戦略立案などのにまで手が回っていない可能性が高いです。

このような場合は、情シス業務アウトソーシングの検討を始めてください。まずは、ひとり情シスの雑多業務に分類される問い合わせ対応など、業務を細かく分解してスモールスタートから着手しましょう。スモールスタートから徐々に業務を増やしていくなど、柔軟な対応を希望される場合は、情シス支援サービスBPOレンジャーをご検討ください。サービス内容については詳しく解説します。

情シス支援サービスBPOレンジャーとは

情シス部門の課題をBPOの活用を通じて解決していくサービスです。
多くの課題を抱える情シスは、運用保守やヘルプデスクなどのノンコア業務で手がいっぱいになり、ITを活用した課題解決や売り上げ拡大のためのIT戦略といったコア業務に集中できていないのではないでしょうか。
コア業務に集中するための具体的な施策として、情シス部門のノンコア業務をBPOにアウトソーシングします。そうすることで、手間と時間のかかるノンコア業務が手元から離れ、コア業務に集中する環境が生まれます。このようにお客様の課題を総合的に解決するためのサービスが、情シス支援サービスBPOレンジャーとなります。

情シス支援サービスBPOレンジャー無料ダウンロード

ここからは、情シス支援サービスBPOレンジャーの特徴をご紹介します。

経験が豊富

弊社は、設立から約45年分の情シス部門サポートのノウハウを蓄積しています。これまでのノウハウを元に、最適なサービス内容をご提案いたしますので、安心してご利用が可能です。

これまでに、弊社情シス支援サービスを導入いただいたお客様の事例はこちら

メニューが豊富

弊社のBPOレンジャーは自社センターでサービス提供しているため、高いセキュリティを確保しています。45年培ったノウハウを3つのサービスで提供し、すべての情シス業務を支援することが可能です。

パソコンサポートサービス

情報システム部門で手が取られがちなパソコンサポートは、BPOレンジャーの得意分野です。PCが動かない、windowsの使い方が知りたい、Excelの使い方を教えてほしいパソコンに関する問い合わせを弊社BPOセンターにて、一手にお受けすることが可能です。

運用支援サービス

社員の入社・退職時なども含め、やるべきことが決まっている業務の支援も可能です。PCキッティングやデータクレンジング、マニュアル作成など、定型業務であれば、IT以外にもお受付が可能です。

ヘルプデスクサービス

基幹システムや会計システム、人事勤怠システムなど、基幹業務に関わる専門性の高いシステムのトラブル対応が可能です。事前にキャッチアップ期間を設けて習得し、貴社サービス内容に応じて的確に対応いたします。

スモールスタートが可能

ご予算に応じて、月間20時間からスモールスタートが可能です。

上記でご紹介した3つのメニューを柔軟に組み合わせた、フレキシブルな対応が強みです。

導入事例のご紹介

ヘルプデスクアウトソーシング事例
【株式会社ISSリアライズ様】
ヘルプデスクサービス導入事例|ヘルプデスク効率化はアウトソーシングしないと意味がない
ダスキン
【株式会社ダスキン様】
情報システム室のヘルプデスク導入事例|1,000店舗のサポートを構築した方法
イシダ
【株式会社イシダ様】
ヘルプデスクサービス導入事例|BPOセンターを活用したアウトソーシングの効果とは

まとめ

ひとり情シスが退職する場合のリスクや課題、退職前に行うべき対策についてご紹介しました。

ひとり情シスの退職対策
  • 人員を増やす
  • 企業全体のITリテラシー向上
  • 業務効率化ツールを導入する
  • チャットボットを導入する
  • 雑務ひとつひとつも評価する環境をつくる
  • ITアウトソーシングを活用する

ひとり情シス問題を解決したいけど、どのように進めたらよいかわからないという企業様は、お気軽に無料相談をご利用ください。

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